島皮質には感情や感覚という身体の状態を客観的に認識する機能があるとされており、前頭前野は注意力をどこに向けるのかという、集中力のコントロールの要に関わると考えられている領域だ。

 ほかにも、情動をつかさどり、理性が働く前に感情で行動してしまうときに活動するのが扁桃体という部分だが、瞑想経験者は扁桃体の反応が抑えられていることも分かってきた(下図参照)。

 瞑想で脳の働きを変えることができ、集中力を高められる。これが米国の大手企業がマインドフルネスに飛び付く理由なのだ。

 それでは、マインドフルネスはどう実践するのか。冒頭のセミナーでは、目を閉じてゆっくりと深呼吸し、そのときの呼吸に集中する瞑想法を記者も体験した。

 注意がそれて、「このやり方でいいのかな」などの雑念が湧いても、注意がそれたという自分の状態に気付き、再び呼吸に注意を向けることがポイントなのだという。

 記者が効果的だなと感じたのは、瞑想後に数人のグループで、どう感じたかを話し合う場面だ。こうしたら集中できたという他人の体験を聞くことで、自分では気付かなかった、集中するためのヒントにつながるように感じた。

「チームで行った方が継続でき、成果が上がる」(荻野氏)というマインドフルネス。日本企業でも導入事例が増えており、集中力と仕事効率アップの新たな武器になりそうだ。