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ヒントはここにあった!先端ITで日本企業の未来を変える

社員の生産性を”爆発的”に向上させるテクノロジーとは?

安間 裕 [アバナード株式会社 代表取締役]
【第25回】 2017年2月17日
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機械学習やBotの活用によって
生産性は“爆発的”に向上する

 良く似たデジタルの活用方法として、従来の「コミュニケーションの円滑化」などによる生産性の向上とは比較にならない「爆発的」と言っていいほどの効果が期待される、機械学習やBot、そして「RPA」が、残業の提言の議論と相まって、大変な話題になっています。

 RPAは「Robotics Process Automation」の略で、従来は人の手に委ねることしかできなかった「複雑な分岐を持つ定型業務」をBotにより自動化するというものです。

 例えば、借入申請者の財務状況レポートから複数の項目の組み合わせを判断し、与信管理システムに対して該当する内容の入力をする、とか、日次決算の詳細な情報を判断し、状況に応じてメール内容を変え、適切な部門や職位に宛てて送信する、といったものです。

 今これが話題になっている大きな背景には、優秀な従業員が実はこういった「複雑な定型業務」に時間を奪われ、本来行うべき業務に十分な時間を割くことができない、また、残業の抑制の議論と共に「残業はRobotに」といったこともあるのではと思います。

 一説によると、95%はこういった「複雑な提携業務に追われ、本来の意思決定には5%の時間しか割けていない」と言われています。この「意思決定の熟考」にもっと大きな時間を割けることができれば、意思決定の質はさらに向上するのではないでしょうか?

 デジタルな世の中だからこそ、優秀な方々を機械ではできない創造的な判断を伴う"本来"業務に集中させることの重要度がより増してきています。

 RPAが一歩進むと、機械学習やその先のAIになります。これは、前述の「人材の育成」と同様に、機械に判断を求めるというものです。機械学習は、事実から学んでいくというもので、AIは「自分で考える」という違いです。

 機械学習とIoTの融合も、各産業において大きなトレンドになっています。例えば、「予知型メンテナンス(Predictive Maintenance)」と言われるもので、機械学習により機器が壊れそうな傾向を判断、または、利用の仕方や頻度から想定し、部品の交換や修理を対応方法も含め、壊れる前にリコメンドするというものです。

 現在のテクノロジーでは、このリコメンドを「一発確定もの」にすることも可能ですが、そのためには多くの時間と、大きな投資が必要となります。「あたり度の高そうな2、3の選択肢」を機械が人間に与えるだけでも、生産性は爆発的に向上します。

 どこまでを機械学習やRPAに任せ、どこまでを人間が行うかを、ROIを見て判断をしていくことが重要です。

 一発確定でなければ、比較的安価に開始できるはずです。まずはやってみて、機械学習やRPAを自社の業務に適用するように、成長させていくことが肝要なのではと思います。

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安間 裕
[アバナード株式会社 代表取締役]

団体系保険会社、外資系商社を経て、1998年にアクセンチュアに入社。その後外資系広告代理店を経て2001年に再度アクセンチュアに入社、アクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズの設立に携わり2002年8月に同社代表取締役社長に就任。2009年アクセンチュア執行役員アウトソーシング本部長、2010年執行役員ビジネスプロセス・アウトソーシング統括本部長を歴任。副社長としてフューチャーアーキテクトの経営に携わった後、2014年4月にアバナードに入社。1982年明治大学文学部文学科フランス文学専攻卒。1959年生まれ。

ヒントはここにあった!先端ITで日本企業の未来を変える

IT業界のフロントランナーである筆者が、日本企業の経営やビジネスの最前線で働く人々に向けておくる連載第2弾。昨今のITで起きていることを、いわゆる「Buzz Word(はやり言葉)」としてではなくビジネスの言葉で解説。客観的データを基にした冷静な分析で、今日から仕事への意識を変えられるヒントを提供する。

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