今回も、前回に引き続き、昨今話題となっているAIを含めたデジタルによる働き方改革(デジタル・ワークプレイス)について述べてみたいと思います。
前回にも書きましたが、私はデジタル・ワークプレイスによる価値を、従来の「生産性の向上」に加え、次の6つに分けて考えています。
- エンゲージメント・スコア、ロイヤリティーの向上、退職率の低減などの人事的な効果
- 直接的なコストダウン
- 人材活用の推進
- ボトムアップ型の意思決定支援、突然変異型アイデアの創出
- 人材育成
- AIやBotの活用による生産性の爆発的向上
今回は、上記の3つ目と4つ目について記述したいと思います。
人材活用の推進
最近のバズワードとして、「タレントマネジメント(タレマネ)」が取りざたされています。デジタル・ワークプレイスは、従来型のタレマネに加えて、さらに進化した人材活用を実現する可能性を持ちます。
前回も述べましたが、最新のデジタル・ワークプレイスは、それそのものがもたらす「生産性向上」「コストダウン」などの価値に加え、「働き方の見える化」を可能とします。
例えば、人や部門別に、「Excelの使用時間が極端に長い」「Wordの大量保存が頻繁」などを捉えられるようになり、そこから深堀をすると、「読みもしないマネジメント報告を大量に作っている」とか、次回以降で記述する「AIやBotによる自動化の可能性」などが垣間見えてきます。
結果として、本来注力するべき業務に人材を集中化することが可能となります。
また、各人の「得意分野」や「これまでの経歴」「人事考課」などの人事データを機械学習させることにより、「こういうプロファイルを持つ人は、こういう部門で活躍する」とか、「こういう特性を持つ人は、こういう上司の元だと成長する」などといったことまで、透けて見えてくることになります。
人材を本来業務へ注力させることに加え、持っている力を最大化し、活躍できる場に関しての考察も与えてくれます。