そこで、大企業と中小企業、それぞれの立場で働く人にメリット・デメリットをインタビューしながら、実情を比較してみた。

出世競争はないが
中小企業こそ本当はシビア

 大企業と中小企業を比較すると言っても、出世や社内でのポジション、社内体制や給料・福利厚生など、それぞれの"視点"に分けて比べる必要があるだろう。ということで、本記事ではいくつかの要素を設け、それぞれについて大企業と中小企業で働く人の実感を並記していきたい。

 まず聞いてみたいのが、社内での出世競争やポジションについての実感だ。大企業と中小企業の一般的な違いは「企業規模」であり、社員数は大きく異なる。その違いから生まれる出世競争などへの感覚は隔たりがあるのだろうか。

 大企業に勤めるビジネスパーソンからは、こんなメリット・デメリットが聞かれた。

「やはり出世競争は厳しい。新卒の同期が100名以上いるので、出世組とそうでない社員が明確に分かれてくる。人が多い分、社員の序列がつきやすく、イヤでも自分のポジションを認識させられる」(33歳男性/メーカー)

「同世代や同期と細かく比較される。さらに、後輩も毎年必ず大量に入社してくるので、どんどん抜かれる。それをストレスに感じる人にとっては厳しいと思う。一方、そういったことを気にせず、出世が遅れてもマイペースでいられる人にとっては、あまり不都合にならない。出世が遅れたからといって、仕事がなくなるわけでもないから」(42歳男性/IT)

 一方、中小企業のビジネスパーソンは、どんな実感を持っているのだろうか。

「うちの会社は60人ほどだけど、出世の概念が乏しい。もちろん出世のシステムはあるけど、大企業ほど段階的に細かくステップアップするわけではないから、若手社員も『どんどん出世したい』とは思ってない。目の前の仕事をこなして、もっと大きな仕事を欲しがるのみ。給料の上がり方も、出世が段階的でない分、ちょっと曖昧かも」(32歳男性/不動産)

「役職による出世競争はないけれど、社員への評価は大企業よりシビアだと思う。社員が少なくてマンパワーが不足しがちだから、一人に求められるものは大きい。仕事ができない人には任せたくないので、能力の低い人はその評判がすぐに回って仕事を振られなくなる。役職や出世という目に見える評価より、目に見えない評判が大きい」(32歳女性/PR)