総効用は増えるが、「追加1単位当たりの効用」は減っていく

 具体例で考えてみよう。閉店間際のスーパーで半額に値下げされたおにぎりを5個買ったとする。1個目のおにぎりに対する満足度(効用)は大きい。この効用を20とする。2個目を食べると満足度はさらに上がり、効用は30に増えた。3個目を食べると効用は35に増えた。4個目の効用は37だった。5個目の効用は38に増え、ここで満腹となった。こうして総効用(全体の効用)は増加していったことがわかる。

 このとき、総効用(効用全体)は増えているが、おにぎり追加1 個当たりの効用は減少していることがわかるだろう。2 個目のおにぎり(追加1 個)を食べたときの単位当たり効用は30 - 20 = 10である。この追加1 単位あたりの増加した効用が限界効用だ。

・2個目の限界効用は10
・3個目は35 - 30 = 5
・4個目は37 - 35 = 2
・5個目は38 - 37 = 1

 おにぎりに対する限界効用は、20、10、5、2、1と減少している。これが限界効用逓減の法則だ。