ソーシャルメディアが変える
マーケティングの未来
グルーポンの成功は「未来予測を可能にしたことだ」と言われる。流通や小売など、売上の変動を避け得なかった業界に対して、将来の売上を確定させることができるからだ。それを、縁日やクリスマスセールのような「非日常な感覚」を再現しながらユーザーに訴求していくことに、この企業の革新があった。
この躍進を遂げたモデルを非営利の世界に本格的に広げることも可能だろう。このマッチングギフトのプラットフォームを他の企業に提供するという話も考えられる。今回は、グルーポン・ジャパンが寄付金を上乗せしたが、それを他の企業も提供可能だとすれば、このモデルはいくらでも広がりうる。また適用範囲も、震災を超えて世界中に広がる貧困などの社会問題への支援にまで広がるだろう。もしそれが可能になれば、寄付市場のあり方すら変わっていくのではないだろうか。
取材の最後、瀬戸は「日本を元気にするビジネスモデルを創りたい」と語り、徐は「ビジネスの力を使って、社会の問題を解決したい」と語った。彼らのアントレープレナーシップと社会変革へのモチベーションの融合は、震災後の世界に何をもたらすのだろうか。
営利の世界であれ、非営利の世界であれ、イノベーションが世界を変えていくという原則は変わらないのだ。
次回はグルーポンの動きに加え、ソーシャルメディアやクラウド型寄付サイトの動向に触れ、この寄付市場に劇的な変化が起きていることを示していく。支援者ではなく、当事者を主体にした寄付は可能なのだろうか。その新しいムーヴメントを分析する。