「昆虫を食べる」と聞いたとき、どのような感想を持つだろうか?日本では、まだまだ馴染みのない昆虫食であるが、世界人口の1/3の人々は、昆虫を食べる習慣があるそうだ。昨年から引き続き、米国で注目されている昆虫食のトレンドが、2017年は日本にも上陸しそうな勢いがある。今回は、『昆虫食入門』(平凡社)で紹介されている「昆虫食」の知識について触れながら、昆虫を食べる価値をご紹介しよう。
米国でクローズアップされはじめた「昆虫食」
「昆虫食についての科学的な研究は諸についたばかりであり、栄養価も基礎データもまだほとんどない。したがって定説は存在せず、さまざまなアプローチが可能である。(中略)多くの昆虫でタンパク質が乾燥重量の50%以上あり、他の動物性食品に勝るとも劣らない良質な食品である」(『昆虫食入門』より引用。以下、引用箇所は同様)
本書『昆虫食入門』では、昆虫食の栄養価について、このように解説している。実際に米国では、次世代栄養食品として、昆虫の「コオロギ」が注目を集めた。健康食品を提供している「Exo」社が2014年3月に販売開始した、コオロギ粉末を使った「EXOプロテインバー」が、メディアに取り上げられたのだ。
では、なぜ「コオロギ」が材料として使用されているのだろうか?本書でも「コオロギはタンパク質と脂肪のバランスがいい」と記載されているとおり、コオロギは完璧なタンパク質である。実際、EXOプロテインバーには1本あたり、約40匹に相当するコオロギが使用され、10gものタンパク質を含んでいるという。