衣料品は企画から生産まで時間が必要だ。このため、まだ寒く冬が去っていないのに、店頭は春夏物に切り替わり、まだ暑く夏が去っていないのに、秋冬物に切り替わってしまう。衣料品ではこんなギャップが当たり前になっていた。

 毎日商品が入れ替わるようにできれば、こうしたギャップを解消でき、欲しいときに欲しい商品があるという、つまり「売る人」と「着る人」の境をなくせるというわけである。

 翻って、国内の生活必需品のメーカーは本当に「消費者に寄り添った」商品づくりをしているのだろうか。いまだ、メーカーは「俺たちがこんなにいいものを作ったのだから、君たちは買うのは当たり前でしょ」という発想を持っているところが多いのではないか。もはやユニクロのように、その転換が必要だろう。

「セブンプレミアム」で
1兆5000億円を計画

 消費者はすでに既成の商品では飽き足らなくなっている。新しい商品でないと財布の紐を緩めない。新しい発想が生まれない一つの理由としてメーカーと流通業に厳然とした「垣根」があるからだ。メーカーと流通側はその垣根を崩さないと新しい世界は開けない。

 セブン&アイ・ホールディングスが約1兆1500億円の売上高のあるプライベートブランド(PB)「セブンプレミアム」を2019年度に1兆5000億円の売上高まで引き上げる計画を打ち出している。

 しかし、1兆5000億円の目標はそれほど下駄をはかせた数字ではないだろう。1兆5000億円のメーカーといったら、それなりの規模である。食品メーカーでは味の素や、明治ホールディングスなど数えるほどしかない。

 セブン&アイにはセブン-イレブンという全国2万店近い強力な販路があるから、それくらい売れるのは当たり前ではないかという指摘はあるかもしれない。しかしそうでもなさそうだ。

 2007年にPB「セブンプレミアム」の販売を始めて約10年、鈴木敏文セブン&アイ名誉顧問は会長を辞任する前に「セブンプレミアムを作りたいというメーカーが列をなしている」と言っていた。

 セブン-イレブンはメーカーなどが参加したチームマーチャンダイジング(商品化計画)で、徹底的に商品の市場を調査する。食品だったら繰り返し味覚を検証する。それも何度も作り直す。