一流のリーダーは、部下の「才能」や「魅力」を引き出す天才です。決して、「権力」によって、部下に圧力やプレッシャーをかけることはありません。なぜなら「権力を誇示する」こと、つまり、「権力を用いる」ことでしかチームをまとめていくことができないのは、リーダーとして力不足であり、恥ずかしいことだという認識があるからです。

 一流のリーダーは、「権力」を持っていても、過剰に用いたり、誇示することはないのです。

「権力」には
5つの性質がある

 もともと、「権力」には、次の5つの性質があります。

(1)正当性のパワー
(2)報酬のパワー
(3)強制のパワー
(4)専門・技術によるパワー
(5)準拠のパワー

 以下、順番に簡単にご説明しましょう。

 (1)の「正当性のパワー」とは、正式な権限のことを意味します。部下は、基本的に、上司から与えられた指示に対して従うことが求められているということです。上司は、そのことを十分理解したうえで、どんな指示を出せばいいのか考えなければなりません。部下に対して発する言葉一つひとつに配慮する必要があります。

 (2)の「報酬のパワー」とは、有形であれ無形であれ、上司が部下への報酬を決める権限を持っているということです。昇進による給与アップはもちろんのこと、その他に、褒めることや特別な待遇を用意することも挙げられます。

 (3)の「強制のパワー」とは、部下に対して強制力を持っているということです。罰を与えたり、部署を異動させたりすることが可能です。

 (4)の「専門・技術によるパワー」とは、リーダーとして部下を導くうえで必要となる知識や知恵、また、部下の問題を解決することができるスキルのことを指します。

 (5)の「準拠のパワー」とは、部下を尊重し、叱咤激励しながらも、部下をサポートする姿を見て、部下が「いつの日か、こんな上司になりたい」と思わせるようなロールモデルであることを意味します。これは、「人間力」と置き換えることができます。