腰の痛み、脚の痛みやしびれに悩む人は多い。多くは筋肉の疲労が原因だが、中には深刻な病気が隠れていることがある。その一つが椎間板ヘルニア。椎間板ヘルニアの治療では、まずは消炎鎮痛剤や牽引など、手術を行わない“保存療法”を行い、それでも痛みが取れない場合に手術を行うのが主流だった。しかし、最近では、保存療法と手術の中間的な治療法として、レーザーを使った治療法が登場した。
ゴルフの素振りをすると、腰に痛みが走ったり、脚がしびれたりする人は少なくないようだ。背骨は椎骨が積み重なってできているが、この椎骨と椎骨の間にあり、クッションの役割を果たしている椎間板に変調があるのかもしれない。背骨を曲げたり伸ばしたりできるほか、衝撃を和らげることができるのは、このクッションのおかげなのだ。
椎間板ヘルニアは、椎間板の中にある「髄核」といわれる部分がずれて飛び出し、神経を圧迫している状態だ。このため、脚の痛みやしびれ、感覚麻痺などが起こる。椎間板ヘルニアの原因は様々で、激しい運動や、無理な姿勢、椎間板の老化などによって起こるといわれている。
とはいえ、実は椎間板ヘルニアは自然に治るケースも多い。
「発症時には、激しい痛みを伴う椎間板ヘルニアだが、患者の8割は12週間ほどの保存療法を行えば、徐々に軽快する」と、東京慈恵会医科大学救急医学講座の小山勉教授は話す。そのため、通常の治療では、まずは消炎鎮痛剤などの内服薬で痛みと炎症を抑えたり、牽引などを行って経過をみる。
その後も痛みがある場合には、神経に麻酔薬やステロイド剤を注入して痛みが伝わるのを一時的に遮断する“ブロック療法”を行う。
それでもなお痛みが残り、日常生活に問題が生じるケースや、経過をみる中で麻痺や、排尿、排便に支障が生じ緊急処置が必要なケースでは、手術を行って飛び出した髄核を取り除く。