テレビ出演多数の人気臨床心理士が、幸せを引き寄せる口ぐせの数々を、脳への効果や医学的理論を基に解説。今日は、朝起きた時、自分にスイッチを入れてくれる言葉についてです。
不眠症改善にもつながる言葉
やまなmental care office代表。臨床心理士。 1986年、静岡県浜松市生まれ。幼い頃から両親が一番の理解者であったが、身内ではないからこそ話せることもあるのだということに気がつく。心理学系大学を卒業後、夢に向かって努力を重ねるが、努力だけではどうにもならない挫折を味わい、自信をなくす。その後もう一度心理学を学び、臨床心理士として活動するため、大学院にて心理療法の心得や技術を習得する。2013年、臨床心理士の資格を取得。心の専門家、臨床心理士として「モーニングバード」(テレビ朝日)、「あさチャン!」(TBS系)、「Rの法則」(Eテレ)などメディア出演多数。また、有名企業から教育機関などで講演活動も精力的に行っている。主な著書に『バカ力―完璧をめざさない強さ―』(ポプラ新書)『一瞬で「できる男」と思わせる心理術』(宝島社)がある。
朝起きて、一番に発する言葉には、その日1日を左右するほどの大きな力があります。
「今日も1日、いい日にするぞ!」「今日も1日、楽しもう!」などという前向きな言葉を意識して発すると、脳が「よし、今日を充実させよう!」とポジティブに回転し始め、実際にその日1日前向きに、パワフルに過ごせるようになります。
カウンセリングをしていると、不眠症気味の方が増えているように感じます。不眠症には、入眠困難、早朝覚醒、中途覚醒、熟眠困難などさまざまなタイプがあり、その理由もストレスやブルーライトなど色々ですが、いずれも朝起きた時にだるさや倦怠感、満足感のなさを強く感じます。
そんな時、無理矢理にでも「よく寝た~!」と大声で言うと、脳が「よく寝られた」と勘違いするので、身体のだるさや不満足感が軽減し、1日を元気に過ごせるようになります。不眠症改善にもつながりますので、お勧めです。
カーテンを開き、日の光を浴びながら言うとさらに有効。寝ている間は副交感神経、起きているときは交感神経が優勢に働いていますが、日の光を浴びることで副交感神経優位から交感神経優位へと自律神経が切り替えられ、頭が回り始めます。また、明るい光は幸せホルモン「セロトニン」の分泌を促し、睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌を止めると言われているので、眠気やだるさがスッキリします。そして光を浴びた15~16時間後に再び分泌が始まるため、寝る準備へと導かれるのです。
逆に、お布団にくるまったまま、「眠い……」「しんどい……」「起きたくない……」など、だるい気持ちをそのまま言葉にすると、頭も身体も重たくなり、1日中ネガティブな気持ちで過ごすことになるので要注意。気持ちはわかりますが、口に出してしまったらさらにその日1日が辛くなります。ぐっとこらえて、ポジティブな言葉を発しましょう。
夜は、自分を褒める言葉を言うのがベスト。
「今日も1日、よく頑張った!」などと自分自身にねぎらいの言葉をかけてあげましょう。
「よくやった」「良い1日だったな」というプラスの言葉を口にすると充実感が高まり、気
持ちよく眠りに就くことができます。
不眠症気味の方は、寝る直前に寝巻に着替えて「よし!寝るぞ!」と宣言するのも一つ
の方法。脳が寝る態勢に入ったと認識するので、眠りに就きやすくなりますよ。
(『幸せを引き寄せる「口ぐせ」の魔法』の本文の一部を掲載しました)