出版社勤務の編集者時代に
スカウトの電話
――これまでの経歴を教えてください。
宮原 大学を卒業して入社したのがビジネス書系の出版社でした。その会社に11年いて、初めの7年は広告営業の部署、その後の4年間をムックや書籍編集の部署で過ごしました。そして、2007年5月に弊社に入社しました。ですので、丸4年というか5年目ですね、弊社にいます。
――編集者時代にはどういったジャンルを担当されていたのですか?
宮原 広告営業から編集部に異動した当初はムックの編集部だったのですが、そこが投資や保険、住宅ローンなどお金まわりの企画が多かったので、そのあたりのジャンルには詳しくなりましたね。いま社内でビジネス系を担当しているのもその経験を活かしてということもあります。
あとは、理工系の本もやりました。半導体製造装置を取り扱った本を担当させられたときは、自分がまったくの文系人間なので本当に面食らいました。3000円くらいする本で、著者もその道のプロ30人くらいいるという、「編集ってこういう仕事なのかな?」と思ったりもしましたね(笑)。そういった、先輩から引き継ぐような企画をやりながら、少しずつ自分の立案した企画を動かせるようになっていきました。
――そんな中で、現在のお仕事に移られたのはどういう経緯だったのでしょうか?
宮原 もともとアップルシードとは付き合いがあって、社長(鬼塚忠氏)と一緒に企画を動かしていたんですね。お互いにサッカーが好きということもあって、公私共に仲良くしていました。そんな折、ある日曜の午前中に鬼塚から携帯に「うちに来ない?」と電話があったんです。「今日はお休みしてるんで、ご自宅にうかがうのは今度でもいいですか?」と答えたんですが、「いや、うちの会社に来てくれないか」と。それが転職の誘いだったんです。ふつう、そういう電話だとは思わないですよね(笑)。
――スカウトだとわかって、即答されたんですか?
宮原 いや、あまりにも唐突だったので、「考えさせてください」と。とりあえずその後直接会って話をしました。社長としては、広告部時代の営業経験と、編集者としての経験が、エージェントに必要な、企画の紹介~交渉業務および、企画の立案〜制作業務のどちらにとっても活かされると考えたようです。
でも、1ヵ月以上答えを出せませんでした。自分の企画を形にできるようになってきた頃でしたし、これからどんどん本を作っていきたいと思っていたので。ただ、「新しいことをやってみたい」という気持ちが大きくなったんですね。それ以前に、「迷っている」ということはやってみたいんじゃないかと思ったこともあって。それで決めました。