OECDが指数を算出
昨今の海外進出の拡大に伴い、日本企業は数多くのリスクにさらされています。その中でも不可避のリスクが「労務リスク」です。労務リスクは、原因・要因が多様であり、リスクが顕在化した場合の影響も甚大であるという特徴があります。そのため、日本企業の海外進出において、極めて重要なリスクマネジメントの分野となります。
図表は経済開発協力機構(OECD)が発表したOECD加盟国、非OECD加盟国の労働者保護指数を「正規雇用労働者の個人解雇に対する保護」の度合いでソーティングしたものです。簡単に言えば、図表の上の方の国は従業員の解雇がしやすい国で、下に行けば行くほど、解雇がしにくい国と言えます。暗転している国は一般的に新興国と言われる国ですが、多くの先進国も下の方に位置しており、従業員の解雇が海外において非常に難しいことを物語っています。それでは、先進国、新興国での労務リスクについて見てみます。
主要OECD諸国・非OECD諸国における従業員保護指数