プロの仕事として続けるには財源も人もが足りなくなるから、安価なボランティア的な事業に変えた、という指摘もある。いわば「安上がり」の介護を目指す。これを「互助」と説明する。

 つまり、介護保険や医療保険、年金などはいずれも「共助」の仕組み。国の制度として保険方式を取り入れた。そこへ、善意の助け合い、「互助」の仕組みを取り入れようと言うものだ。

 互助の担い手は地域住民で、制度説明の中にしきりと「住民主体」「ボランティア」という用語が顔を出す。任意のボランティア団体やNPO法人、あるいは「助け合い」への志の高い有限会社などの地域企業を指す。行政主導できた日本の社会保障で、「住民主体」を正面から打ち出すのはかつてなかった。

 ところが、実態は「住民主体」が実践されているとは言い難いようだ。

「新総合事業」の本当の目的は?

 現行の訪問介護と通所介護を「訪問型サービス」、「通所型サービス」に名称変更し、それぞ4種類、3種類の異なるサービスに色分けした。

 その中身は、

(1)現行を基準緩和したA型
(2)住民主体で運営するB型
(3)短期集中のC型

 である。

「訪問型サービス」には

(4)移動支援

 が加わる。

 住民ボランティアを担い手にした(2)の「住民主体で運営するB型」が「本命」である。国としては、現行の制度を止めたいので、早く(2)に移ってほしいと目論む。だが激変緩和措置として(1)の「現行を基準緩和したA型」を設けたので仕組みがややこしくなってしまった。

 いずれ、国は要支援者向けの訪問介護とデイサービスの報酬単価を大幅に下げ、介護保険サービスとしては消していく考えだ。その消去過程を明示しないまま、あいまいな基準緩和型を設けて移行事業に着手したため、現場を混乱させている。