「この会議室の蛍光灯は半分以上外せますね」
あなたの職場にもこんな風に、節電に対してオタクのようにこだわる人が増えていませんか。
その一方で、暑い夏も仕事を効率的にこなすために「反節電」派が登場しているのも事実です。「俺たちが節電努力したって関係ないよ」と達観したような発言をし、節電の努力を真っ向から否定する人も少なくありません。
確かに今、節電は国家の抱える重要な問題です。ただ、これほど取り組みに対するスタンスが両極端になるのは興味深い現象といえます。なぜ、こうした節電に対するギャップが起きてしまうのか。みなさんと一緒に考えてみたいと思います。
「電力不足」がドミノ倒し的に発生
各地で原発の再稼動が焦点に
東日本大震災が日本にもたらした「悩ましい」問題が2つあります。1つ目は「放射能」問題、そして2つ目は「節電」です。今回取り上げるテーマは「節電」ですが、どちらも福島原発事故によってもたらされた極めて解決が難しい問題です。
原子力発電所の運転停止に伴って電力不足が発生し、節電が必要になっているのは関東圏だけではありません。関東圏への電力提供に加えて、他の地方でも原発が停止する影響などからドミノ倒しのように全国的に電力不足が発生しています。
各地がその対策に追われているなか、九州電力では原発の代替として火力発電の稼働増で必要となる電力を確保しました。ただし、夏のピーク時には供給力の余裕を示す予備率は、適正の8~10%にはほど遠い3.5%。そのため、同社はサイトで電力使用状況を公開して広く節電を訴えています。
関西では、定期検査を終えた原発の再稼働が焦点になっています。6月28日に開催された関西電力の株主総会には、筆頭株主である大阪市の平松邦夫市長が、脱原発に向けた自然エネルギー推進を求めるために自ら出席。また、一部株主が原発から撤退するまで役員に報酬を支払わないことなどを求める議案を提出しました。こうした原発の廃止を求める議案に対して、全国の電力会社がどのように対処するか注目が高まっています。
“戦後最大の暑さ”に取り組む企業が多数!
家庭での節電を後押しするイベントも
「脱原発」の世論が高まっていることから、停止中の原子力発電所を再稼動させることが困難になり、各地域の電力不足を加速させています。その結果、全国的に企業も個人も節電の取り組みが必須の夏となりました。もしかすると、“戦後最大の暑さ”との戦いになるかもしれませんね。