喫煙室によっては扉の開閉構造を工夫し、煙が漏れ出ないようにしていたり、より性能のいい空気洗浄機が開発されたりもしている。だが、ランニングコストなども含めて高額な費用がかかることを勘案すると、費用対効果はあまり期待できない。

※3 厚生労働省「職場における喫煙対策のためのガイドライン」

服に付着した煙にも
発がん物資等が検出される

 喫煙後の室内の内装や家具、喫煙者の髪の毛や衣服に付着したたばこの煙のことを「三次喫煙」という。三次喫煙については、東京都健康安全研究センターの実験研究でも確認されている。この実験では、「喫煙によって衣服や髪の毛にたばこの煙が付くと、どんな有害物質がどのように放散されるのか」を調べた。

 密閉タイプの箱に、衣服に見立てた11種類の布(ワイシャツ素材・セーター・スエット・タオル・デニム・ボア・フェイクファー・麻・ポリエステル・シルク・フラネル)を入れたあと、たばこ2本分の副流煙を20分間、吸着させた。その後、布をビニル袋に移し、きれいな空気を入れたあと、30分間、空気中に放散された化学物質を測定した。

 実験の結果、11種類すべての布からニコチンのほか、発がん物資(ホルムアルデヒド、1,3-ブタジエンおよびベンゼン)、特定悪臭物質(※4)(アセトアルデヒド、トルエン等)、不快臭物質(ピリジン等)が検出された。布がフェイクファー、ボアやスエットなどのように厚みがあるほど、検出された物質の濃度が高くなり、一方、シルクのような薄い布は低値だった。