東京都健康安全研究センター(薬事環境科学部)の大貫文研究員は「日常生活では、喫煙直後は実験で検出されたような化学物質が放散されているので、5分ぐらい経ってから戻ってくるといいですね。喫煙後の手洗いや歯磨き、口ゆすぎはおすすめです」とアドバイスする。

 受動喫煙対策案には「分煙か禁煙かを選択できる」もある。だが、その政策は、すでにスペインで失敗に終わった。スペインでは2006年、100m2以下の飲食店は「喫煙室を設置するか」「原則、禁煙か」を選択できる法律を施行したが、不公平になっただけでなく、客にとってもわかりにくく、まったくうまくいかなかった。店内で働く従業員の健康被害も問題になった。そこで5年後、「飲食店では原則、禁煙」に切り替え、いまでも続いている。

 WHOはたばこをアヘンや麻薬と同じように「脳に作用して行動や精神の障害を引き起こす薬物」と定義する。たばこを吸わないときのストレスは、たばこを吸うことによる「ニコチン依存」によって形成されている。ニコチン依存とは、脳の中枢にニコチンが作用していないと脳細胞が機能しなくなる状態で、眠気や気分の落ち込みも引き起こす。

「たばこを吸うことで思考力がアップする」と言う人もいるが、それはニコチンが作用していないと、正常な思考や気分の調整ができなくなっているに過ぎない。

「たばこは治療が必要な病気」と強く意識するとともに、「吸いたくなっても、その衝動は3分でおさまり、それ以上は続かない」というデータも知っておくと気持ちがラクになるだろう。

※4 環境省 悪臭防止法