なぜPDCAを回すと、仕事がうまくいくのか?
いわゆるPDCAは、メーカーの生産現場で品質管理を円滑に行うために生み出された手法です。
メーカーが作るのは「もの」ですから、仕事のプロセスも品質の定義も明確でした。
自動車であれば、鋼板のプレスにはじまり、溶接、塗装、成形、組み立て、品質検査と、工程(=プロセス)がはっきり分かれています。さらに「プレス」「溶接」という一つの工程の中でも、部品や素材ごとに細かく担当が分担されます。
つまり、「この工場では、月に1万台の車を製造する」という大きな目標を決めたら、工程数や稼働日などから逆算すれば、「プレスは1日に1000枚」「成形は1日に400台」といったプロセスごとの小さな目標も簡単に割り出せます。
さらには、それぞれの工程において品質の定義も詳細に定められています。
「180℃で30分間熱しても変質しなければ良品、変質したら不良品」といった線引きがされ、「1日の生産品のうち、不良品は3%以下にすること」などの目標値も定められています。
こうして工場で働く全員が、自分が毎日クリアすべき生産数と品質の目標を数値で把握しているのが、ものづくりの現場の特徴です。
つまり誰もが「自分は今日、勝ったのか、負けたのか?」を知ることができる。だから、毎日頑張れるし、確実に結果を出せるのです。