「総合評価表」で
企業理念の実践度を評価
●理念主義
年2回、企業理念の理解度と実践度を評価します。
理念主義では、一般社員も幹部社員も、営業、技術、業務の職種にかかわらず共通項が27個あり、営業・技術・業務の一般社員と幹部社員にそれぞれ3項目個別の評価項目があります。
2017年から合計30項目、300点満点の「総合評価表」(本書 参照)を運用し始めました。
資格や職種を超えて全社員が評価されるのは、理念の体現度、働き方、全社結束、道具としての英語力の4つのカテゴリです。
これに3項目ずつの職種別、幹部・一般別の評価項目があります。「総合評価表」に、それぞれ10点満点で10点、7点、4点、1点の4段階で評価します(各人と上司がそれぞれ評価)。
評価は、役員が行い、「全役員が全社員の全項目について評価する」のが決まりです。
その後、役員間の合意によって評価ランクが確定します。
役員5人で「社員A」を評価するとき、5人全員が同じ評価(同じ点数)であれば問題はありません。
ですが、評価が割れてしまうことがある。
その場合は、多数決で決めるのではなく、全役員で話し合って点数を決めます。
総合評価表には「30」項目あり、しかも、社員は55人いる。
そのすべてを評価するのは、時間がかかります。
以前は、総合評価を確定するために、1泊2日の合宿を行って、夜中まで話し合いをしていました。
しかし、10年以上合宿を続けた結果、役員の目線が合うようになり、現在では半日程度の会議ですむようになっています。
評価後は、必ず担当役員が本人と30~40分の面談を行い、直接説明をしています。
会社の評価が本人評価よりも低くても、役員が「なぜこの評価になったのか」「どこをどのように変えていけば評価が上がるのか」を明確にすれば、社員は納得する。だから、仮に評価が低かったとしても会社を辞めません。
システム機器部の主任である冨田恭平は、
「上司の評価と本人の評価は一致するか、あるいは上司の評価のほうが高い」
と感じています。
私も日本電子時代に経験がありますが、本人評価(自分が自分に対してつけた点数)と上司の評価(上司が自分に対してつけた点数)は、たいてい違います。
上司の評価は、本人の評価の「7掛」がいいところで、本人が100点をつけたとしても、上司はせいぜい「70点」です。
上司の評価が自分の評価を上回ることはありません。
けれど、日本レーザーは違います。
本人の評価と上司の評価が一致するか、上司の評価のほうが上回ります。どうしてこういうことが起きるのかと言えば、「毎日、クレドを読んでいるから」です。
クレドには、「働き方の基本、望ましい姿勢、理念を体現する社員の条件」などを具体的に示してあるので、どのような働き方をすれば評価されるのか、全社員が理解しています。
クレドを拠りどころにして、自分の、あるいは部下の評価をしているため、評価が大きく変わることはないのです。