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企業がIT機器をお得に導入するために、
知っておきたい税制の基礎知識

パソコン、クラウド、スマホ…使える税制はどれ?

宮口貴志 [KaikeiZine編集長]
【第1回】 2011年7月14日
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 IT機器購入で使える税制
「10万円」「20万円」「30万円」コース

 IT機器を購入するとき、頭の隅に置いておきたいのがIT関係税制です。IT機器は、減価償却資産に位置付けられています。減価償却資産というのは、(1)建物、構築物、車両、器具備品、機械装置などの有形減価償却資産、(2)ソフトウエア、商標権等の無形減価償却資産が該当します。

 IT機器購入で使える税制は3つあります。実際にはこんな名称ではないのですが、分かりやすくするために「10万円コース」「20万円コース」「30万円コース」としておきます。

●10万円コース
購入時10万円未満額のもの(備品など)であれば消耗品として全額損金計上できる。1個単位ではなく「1セット」単位で計算。

[例]コピー用紙(=器具備品)1セット(500円)を年間15セット購入=合計7万5000円
→その年の決算時の利益から7万5000円を差し引くことできる




●20万円コース
10万円以上20万円未満のものなら、事業年度ごとに一括して3年にわたって償却が可能。白色申告法人・個人にも適用される。

[例]ノートパソコン(18万円)を1台購入
→一括償却資産として3年間で償却することができます。つまり、年間6万円×3年間で償却(=毎年6万円を利益から差し引くことができる)




●30万円コース
20万円以上30万円未満の備品なら一括して損金計上が可能。中小企業(前ページ囲み内注意書き参照)が使える措置で、正確な名称は「少額減価償却資産の取得価額の損金算入特例」。ただし、有効期限は平成24年3月31日までで、平成15年4月1日以降に取得した減価償却資産、かつ、その事業年度において合計300万円までの購入資産に限る。

[例]サーバ(25万円)を10台購入=合計250万円
→その年の決算時の利益から250万円を控除できる



 
 「10万円コース」「20万円コース」「30万円コース」のどれを使うかは、基本的に事業者の判断で決めて構いません。たとえば、今期あまり利益が出ていないけど、来季大きな売り上げが予定されているなら、もしくは見込めるなら、事業年度ごとに一括して3年間で償却する20万円コースを選んだほうが会社にとってはお得かもしれません。

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宮口貴志
[KaikeiZine編集長]

税金の専門紙「納税通信」、税理士業界紙「税理士新聞」の元編集長。現在は租税研究会の事務局長を務める。
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