さて、ビットコインについてはさらなる説明が必要だろう。どんな外国人が日本で買い物をするのにビットコインを使うのか。

 ビットコインは世界中で情報感度が進んだ人が使っているようなイメージがあるかもしれない。しかし、その利用実態は少し違うらしい。ビットコインでの決済は、ロシアやフィリピンなど通貨が弱い(つまり外貨に替えると結構損をする)国の人にとって、その方が便利なのだそうだ。

 自国通貨が信用できない国の人がビットコインを利用する。実は、以前からビットコインの利用者の多くは中国人だと言われていた。中国当局が規制強化に乗り出したほどだ。とはいえ、中国以外にも自国通貨よりビットコインを信用する国は多く、依然ビットコイン相場は堅調に上昇している。

アリペイやビットコインが
知らぬ間に社会の常識に?

 そしてビットコインは、送金手数料が安いことから、国境を越えたeコマースやオークション取引で使われるケースが結構ある。ロシア人から何かを買うときなどにビットコインでの精算を要求されるのは、この手数料の安さに加え、匿名性が保たれて便利だということが背景にあるらしい。

 ビットコインは売り相場と買い相場の差が外貨の為替手数料と同じだと考えると、片道が0.6%くらいになる。高いと言われる空港の銀行の為替手数料が米ドルで2.8%ぐらい、クレジットカード決済でも1.6%くらいとられるから、その点でもビットコインの方が現実通貨よりも利便性はある。通貨が弱く為替手数料の高い国では特にそうだ。

 ちなみに、ビットコインの送金手数料は0.005BTC(ビットコイン)とされていて、それがかなり安いと言われてきた。1年前のレートではこれは30円だったのだが、この1年のビットコインの高騰で今のレートだと送金手数料は150円とかなり高くなってきた。そろそろ送金手数料を引き下げないと、銀行送金の方が安くなりそうだ。

 そのような環境にある外国人が日本に来た場合、予め自国通貨でビットコインを買っておいて、海外旅行中はそのビットコインで決済するというのが、高い為替手数料を気にせずに楽しめる旅行術ということらしい。

 このように、アリペイやビットコインなど我々が聞いたこともない間に、社会的にはそれが必要とされる時代になってきているのである。

(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)