生産年齢人口の増減率が
経済情勢を大きく左右

「就業者数」は、「資本」と並ぶ生産要素である「労働」の指標であり、「総人口」は「需要」の指標である。しかし、経済成長と最も深く関係しているのは、就業者数や総人口ではなく、むしろ、両方の側面を有する「生産年齢人口(15~64歳)」だということが経験的に知られている。

 経済学的には、労働、需要、貯蓄、金利の各側面から生産年齢人口がトータルとして経済成長に寄与するという考え方が有力である。労働は、生産年齢人口を母数としているので当たり前であるが、資本投下を促す底堅い需要の見込みは子どもや老人よりも働き手世代が増えているかに左右される程度が高い。また、退職に備えて貯蓄を増やす世代が生産年齢人口であり、それが低金利にも結び付くという経路が指摘される。

 いわゆる「人口ボーナス」という考え方である。そして、生産年齢人口が減れば、すべてが逆方向に回り出す可能性が高くなるというわけである。

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 経済理論的な説明は仮説に過ぎないが、実際の生産年齢人口の増減率推移データを見ると、不思議と各国の経済情勢がそれとリンクしてきたことが理解される。

 国連経済社会局の人口部(Population Division)が世界の人口推計を2年ごとに行っており、先ほど2017年改訂が発表された。公表されているデータベースには、過去と将来の世界各国の年齢別人口が含まれており、これを使って主要国の生産年齢人口の増減率の推移を描いた(図2)。

 日本の動きを見れば、生産年齢人口の増減率が、経済情勢を大きく左右してきたことが分かる。