情報通信技術の発展が
同時性の問題をクリアする

 DPの導入だけでなく、今後はおのおののサービス業が抱えている「同時性」という、そもそもの問題自体を乗り越えていくことも考えるべきである。そこでカギを握るのが、昨今の情報通信技術だ。

 古い例で言えば、寿司やオペラ・バレエがある。高度経済成長期までは、チルド技術が発達していなかったため、寿司は家で手軽に食べることができなかった。そこで、寿司屋に行って職人が握る寿司を食べることが一般的であり、消費者と寿司職人は「同時性」を求められていた。

 しかし、チルド技術や寿司ロボットなどが開発され、消費者と寿司職人の「同時性」が解消されたため、今ではスーパーやコンビニ、宅配などで手軽に寿司を食べることができる。

 オペラやバレエも、従来は劇場に行って鑑賞する必要性、つまり、「同時性」があった。しかし、DVDや情報通信技術などの発達によって、劇場に行かなくてもエンターテインメントを楽しめる時代となった。今では出張中に移動する新幹線の中でタブレット端末を使い、お気に入りのソプラノ歌手のアリアや、注目しているバレエダンサーのパ・ド・ドゥだって楽しむことができる。

 最近の例では、通信サービスがある。通信はもともと電話だったが、メールやSNSが一般化することで、情報の送り手と受け手の「同時性」が解消された。電話の場合は、話す人同士が同じ時間を共有しなくてはならなかったが、メールやSNSの場合はメッセージを送る人も受ける人も、自分の都合の良い時間に自分のペースでコミュニケーションをすることができる。

 こうした「同時性」が解消するとき、その産業には大きく三つの変化が起きる。「三つの法則」と呼んでもいい。