肥満、高血圧、高コレステロール、高血糖…など、健康診断のたびに“メタボ”を恐れるビジネスパーソンは少なくないだろう。もしメタボと診断されれば、一般的に様々な薬によって治療することになる。しかし、“薬を使わない薬剤師”であり栄養学博士のKUMIKAさんは、自身が提唱する「感食」を行えば、薬に頼らずとも誰でもストレスなく簡単にメタボ対策を行うことが可能だと語る。「感食」とは聞きなれない言葉だが、一体どのような「食」を行えば私たちは健康になれるのだろうか。(聞き手/船井総合研究所:小林昇太郎)
普通の薬剤師が、ある日突然、
“薬を使わない薬剤師”になったワケ
小林 昨年の11月に国際感食協会を立ち上げられましたが、どのような目的でこの協会を立ち上げられたのですか?
KUMIKA 私はもともと薬剤師をしていましたが、その時、患者さんにとって必要のない薬がたくさん出されていることに疑問を感じていました。それがきっかけで、薬で体を治すことよりも、薬を使わなくてもよい体作りのほうが大切だと思い、「薬を使わない薬剤師」を目指すようになりました。
小林 私自身も、KUMIKAさんの提唱されている「薬を使わない薬剤師」に大変興味を持っています。薬を使わなくてもよい体作りに必要なこととは何でしょうか。
KUMIKA まず、食生活を正すこと、それから食べることだけでなく、体を動かすことが大事です。私は、栄養学とウォーキングを学ぶことで、「感食」という考え方にたどり着きました。そして、薬を使わなくても健康に生活できる人を一人でも多く増やすため、この国際感食協会を立ち上げたのです。
感じて食べるのは人間だけ、だから「感食」
小林 「感食」とはあまり聞きなれない言葉ですが、どのような意味があるのでしょうか。
KUMIKA 感食とは「感じて食べる」と書くのですが、「感じる」ことは人間にだけ与えられたすばらしい特権です。私たち人間は、食べることをその他の動物のように単なる生命を維持するだけのものではなく、そこに「感情」をのせることができます。
「食」という漢字は、「人を良くする」と書きますが、人は食事をしながら、それを調理してくれた人、食材となった生き物などに感謝することで、食べ物を大切にすることを学び、暴飲暴食も避けることができます。感謝して、感動して、感じて食べる、それが感食なのです。