東京で一番人口密度が高い所はどこ?中野区と答えたあなた、残念ながら少し古い。

 昨年行なわれた国勢調査の結果を踏まえ、先ごろ都は毎月発表している推計人口を過去に遡って補正した。その結果、2007年以降、中野区に替わり豊島区が人口密度1位の座を占めることになった。「過密都市ならではの安心・安全」。今回は、これがテーマだ。

中野区を抜いて人口密度1位に!
過密都市ゆえの課題は火災リスク

 人口密度首位交代の顛末を、もう少し説明しよう。豊島区の人口密度を押し上げた最大の要因は、外国人の流入である。2007年1月~2011年1月の4年間に、豊島区の住民基本台帳人口(つまり日本人の人口)は2.4%増加した。

 対して、外国人登録者数は何と31%増。23区平均の2倍を超える急増ぶりだ。ちなみに、豊島区に住む外国人は、その6割が中国人。池袋駅の北口は、今や中国人街化しつつある。

 過密都市に話を戻そう。昼夜間人口比率が150%を超える豊島区は、夜だけでなく昼の人口密度も高い。一言でいえば、住宅、商店、事務所などが建て込んでいる。

 区の面積に対する区内総建築面積の割合、つまりグロスの建ぺい率は40%。23区平均の30%を大きく上回る第1位だ。この数字に、豊島区の過密さが象徴されている。

豊島区――火災・犯罪リスクが最も高い「人口過密地域」が抱える課題

 過密都市でまず心配されるのは、火災のリスクである。面積1km2当たりの火災発生件数は、23区平均を2倍近く上回る3位。1km2当たりの建物全焼火災の発生数は1位、火災100件当たりの死傷者数は3位。データから、火災リスクの高さが伝わってくる。