65歳以前に発症する認知症を若年性認知症といいます。このうち遺伝による常染色体優性遺伝性(家族性)アルツハイマー病は10%前後です。近年、増加傾向にあり、働き盛りの年代で発症するため家族の心理的および経済的な影響が非常に大きく、深刻な問題となっています。

認知症を疑ったらまずどうする?

 認知症は、初期の正しい鑑別診断と治療が重要です。自身に、家族に、認知症が疑われた場合、日本認知症学会が認定する「日本認知症学会専門医」や、日本老年精神医学会が認定する「日本老年精神医学会専門医」のいる病院を検索して、豊富な経験と知識を持つ専門医を受診することも一助になると思われます。

 診断は、本人と家族との問診が最も重要なステップです。神経心理士による神経心理検査、また血圧や血液の検査も行なわれることがあります。CT(コンピューター断層撮影装置)、MRI(磁気共鳴画像化装置)、脳血流の低下部位を調べる「脳血流SPECT検査」なども行い、症状と検査所見から原因疾患を予測するケースもあります。

治療の中心は非薬物療法

 認知症の治療は非薬物療法が中心です。快適に過ごせる生活環境を整えるのが治療の目的で、認知機能維持のためのリハビリ、BPSDの低減を目指すケアが重要になります。声が聞こえたり、目が届いたりする場所にいて安心感を与え、目を見て相づちを打ちながら話しを聞くのも大切です。

 認知症になったからといって、すべて能力が失われる訳ではありません。犬の散歩や食器の片付けなど、できることは本人に任せます。BPSDが起きた場合は怒らずに、その理由を考えます。状況にあったケアで症状を和らげたり、防いだりできます。また、やさしく背中をさすったり、手を触れたりすることに、メンタルを落ち着かせる作用があります。