千葉市を基点に
「千葉県民」と「千葉都民」
千葉県の県民性を考える場合、なにはともあれ「千葉県民」と「千葉都民」のふたつの存在を認識しておかなければならないだろう。彼らは千葉市を境に分類することができる。
ご存じのように「千葉都民」とは、通勤通学により東京で主な時間を過ごしている人々のことだ。千葉市を基点に北西部、つまり船橋、浦安、市川、柏、松戸などが主な千葉「都民」の居住域と言われている。千葉市までが「千葉都民」のエリアに入る。
千葉から東京への流入人口は約74万人(平成22年国勢調査、総務局発表)で、千葉県全体の人口615万人のなかでも、かなりの割合を占めている。
一方で、千葉市より東が「千葉県民」の住むエリアとなる。
今回は、「鉄道」から千葉に暮らす人々の生態を紐解いてみたい。まずは、千葉都民たちが住んでいる2大路線、常磐線と総武線を見てみよう。というのも、沿線によってだいぶカラーが違うらしいのだ。
JR常磐線とは、上野から北千住を通り、松戸、柏、我孫子といった北部の市を通って、茨城へとつながる路線だ。一方の総武線は、市川、船橋、津田沼を通り千葉駅へとつながっている。この2つの路線は様子が少し異なる。
船橋市出身で総武線ユーザーの30代男性が言う。
「常磐線は、松戸、柏あたりの人が乗ってるやつでしょ?チンピラ風体の人が乗っていたりして。 あっちにはほとんど行く用事がない」
総武線沿線の津田沼在住の男性も言う。
「常磐線は、正直同じ県内って感じがしない」
常磐線を見下す総武線沿線の「千葉都民」のプライドは「都心までつながっている」点だ。
「こっちは四谷、新宿、三鷹を通っていて、だいたいどこにでも行ける。常磐線は今でこそ品川までつながっているけど、やっぱり『上野まで』感がある」