債券投資に興味のない日本人
日本のマスコミもアメリカのマスコミも、大惨事が大好きです(笑)。
そして特に日本のマスコミは経済紙でも債券の動きなどほとんど眼中にありません。米国債の年限別金利など、日経新聞を見てもほとんど出ていません。
でも世界の証券残高で債券は株式の2倍もあり、債券投資の世界は地中の岩盤のように大きな世界ですので、その動きこそ投資動向の3分の2を占める重要な指標になるのです。
今回の旅行では、債券のプロ中のプロであるヘッジファンドの友人とは別に、様々な一般的なアメリカ人と話をする機会がありました。ほとんどの方が自分の老後に備えて資産は401Kで自主運用しているか、すでにそのリターンを受けています。投資に対する関心は非常に高く、話題を向けると真剣な議論が始まります。その人たちに投資対象を聞くと、平均的に3分の2は超安全な債券投資です。日本人が債券をないがしろにして株や投信で損ばかりしているのとは大違いでした。
しかし、そもそも格付機関がこれほどまでに大きなインパクトを持つ力の源泉はどこにあるのでしょうか。
格付会社の権威のもと
S&Pとムーディーズは1900年前後から当時盛んに発行されていた鉄道会社発行の債券の信用分析を始めています。
それ以前から鉄道は社債発行による巨額の資金調達を盛んに行っていましたが、その債券は頻繁にデフォルトを起こしていたため、投資家は債券の安全性の情報を求めていました。その流れを捉え、情報提供を行ったのが両社です。やがて分析結果を段階別にわかりやすいA、Bなどの記号で表し、投資家には重宝がられるようになりました。