なぜ私たちは楽しくバーベキューを続けられたのか。
その理由は、
- 1 政治的混乱を数量化はできず、S&Pの判定はいかにも主観的判断であり、債券のプロはむしろ判定に疑義ありと見るであろうから
- 2 米国債に取って代わる安全な金融資産などないから
です。
その間の株式相場の騰落と債券相場を日ごとでなく、週ごとに見てみると、もっと様子が鮮明に理解できます。数字はダウ平均の月曜日から金曜日の騰落です。
7月25日~29日 -4.2%
7月31日 政府と議会が債務上限引き上げに合意
8月1日~5日 -5.8%
8月5日 夕刻にS&Pによる格下げ
8月8日~12日 -1.5%
実は格下げ前の2週間こそダウの下げは激しく、格下げを受け強烈に下げた8日月曜日の-634ドルはその後かなり打ち消されているのです。
8月5日までの下げの大きな原因は債務上限をめぐり混乱した議会の動きもさることながら、それ以前から指摘されていた景気の下振れリスクによるものが大です。
634ドルの下げ以降、まるでリーマンショックの再来という話まで出るほど悲観的ムードになっていましたが、それらは格下げ当事者である債券市場の力強い上昇によって打ち消されたのではないでしょうか。
私自身は中期的に見てもリーマンショックの再来などはなく、2009年の後半から続いた景気の回復サイクルが2年で一段落し、いつもの景気循環のように踊り場に差し掛かった、と見ています。
アメリカ人の友人もその時は同様の見方をしていましたし、しばらくして市場が落ち着くと、株式市場の大混乱は格下げが主因のひとつですが、そのドタバタ騒ぎはたった1.5%の下落で織り込まれたという見方が支配的になりました。