NATOにはニュークリアシェアリング(核兵器の共有)という政策がある。NATOは全加盟国が核を持っているわけじゃない。そこで、核兵器のないドイツやオランダ、ベルギーが核抑止力を持つために、米国といつ核を使うのかを共有し、使うときは自分たちの国を必ず関与させろということを常にやってきました。

 日本の場合、北朝鮮が核実験をやると、「大変だー、日本も核兵器を持てー」という話になって、米国務長官がやってきて「心配するなー」と言うと治まる。この繰り返しです。

 私は日本が核兵器を持つことは、憲法上も認められるし、防衛論としても正しい面が多々あるが、国益にならないと思う。

 日本が核武装するということは日米原子力協定を破棄するということであり、あの被爆国の日本が持ったのだからと世界が核を持って核拡散防止条約(NPT)体制が即時崩壊する事態を招きかねない。

 NPT体制は不完全な体制ではありますが、世界中が核兵器を持つよりもましだと私は思っている。

 そうならば、少なくともNATOと同等のきちんとした核抑止力の実効性の確認を米国とやることです。これがないと北朝鮮に対する拒否的抑止力は発動しません。

中国が持っている懸念を
どうやって払拭するか

 日本として、中国に何を言うかも大事です。

 中国は、北朝鮮との同盟があるから、戦争に巻き込まれるのを嫌がっている。なぜ自分たちが付き合わなきゃいけないんだと。難民がいっぱい来るなんて冗談じゃないぞと。統一朝鮮がアメリカの同盟国になって出現したら、そんな国と国境を接するのはまっぴらごめんだと思っているはずです。

 中国が持っている懸念をどうやって払拭するか。中国は北朝鮮を好きでもなんでもなくて、戦争を起こされると迷惑なので支援しているだけです。北朝鮮のミサイルは北京にも向いていますからね。

 中国への対応について言えば、1989年の天安門事件が起きた当時、軍事費は米国の6%だったが、それが、40%弱まで増えている。ロシアの軍事費もソ連崩壊時に同6%ほどだったのが、16%ぐらいまで上がっている。これはストックホルム国際平和研究所や英国国際戦略研究所(IISS)が出している数字です。

 つまり、米国の力が相対的に落ちる。そうすると米国が中心にいて、そこから放射線に同盟が伸びるハブ&スポークから、お互いの同盟を連結させるネットワークに変わらざるを得ない。だから集団的安全保障という話になります。