よはく舎代表の小林さん

 疑問の1つは、20年前に勤務していた出版社で「女性はクリスマスケーキだから、24歳までしか働けない」と言われたこと。もう1つは、2017年に「読モ(どくも)ライター」(ファッション誌の読者モデルのようにタレント性の高いライター)という言葉がインターネットでにわかに話題になったことだ。

 小林さんは、女性の「読モライター」について「プライベートや自身の可愛らしさみたいなものを打ち出しながら記事を売る側面がある」と指摘する。それを自身で選択し、自覚的に運用できる状況であれば異論はないとしながらも、出版社の新卒募集が減る中で、メディアや出版の仕事を目指す若い女性の間が独自に仕事へ取り組もうとしたときに、読モ化競争のような“女性”を売りにしてしのぎを削っていかなければいけないのであれば、「女性のクリスマスケーキ扱い」から出版・メディア業界が進歩していないのではないか、またその状況が疑問であると話す。

 そんな疑問を発端として、次世代の女性に対し参考になることを願い、今回は「独立」と「出版」をテーマに、女性の生き方、働き方について語り合った。

独立系版元立ち上げ
初期費用はどう工面したのか

タバブックス代表の宮川さん

 今回のイベントに登壇したのは、タバブックス代表の宮川真紀さん、瀬谷出版代表の瀬谷直子さん、里山社主宰の清田麻衣子さん、センジュ出版代表取締役の吉満明子さんの4名と、司会を務める小林さん。各々違った経緯で独立系版元を立ち上げ、主に自分の作りたい本、読んでほしいと心から思える本を作ることに注力している。

 版元を立ち上げるためには、初期費用として最初の本を出す印刷費・制作費と印税が必要になる。個人事業ではなく会社を創設する場合には、資本金も必要だ。

 清田さんは、立ち上げの際、自身の貯金に加えて「創業支援あっせん融資制度」を利用したという。自治体によって呼び名や条件は異なるが、法人でも個人事業主でも、新たに事業を始める場合や事業開始後税務申告を2期終えていない場合に融資を受けることができる制度だ。創業時にすでに3冊の本を出版することを決めていたため、それを事業計画書に記載して提出した。