とくに医療用成分が配合された「スイッチOTC」は効果に遜色がなく、病気や症状によっては市販薬のほうが時間もお金も節約できるものもある。

医療用医薬品を転用した
市販薬は効果も期待できる

 スイッチOTCは、これまで医師の処方のもとでしか使えなかった医薬品を薬局で購入できるようにしたものだ。

 OTCとは「Over The Counter」の略語で、薬局のカウンターで相談しながら購入する市販薬を指している。スイッチOTCは、従来は医師の処方せんが必要だった医療用成分を使った医薬品で、薬局で購入できるように一般用医薬品・用指導医薬品に転用されたもの。多くの医療用医薬品の中でも、使用実績が認められており、副作用が少なく、安全性の高いものが選ばれている。

 つまり、もともと医師の処方のもとに使われていた医療用医薬品を、市販薬(OTC)に切り替えたものなので、「スイッチOTC」と呼ばれているというわけだ。鎮痛剤の「ロキソニンS」、胃腸薬の「ガスター10」、アレルギー薬の「アレグラFX」など、一般に名が知れた市販薬もスイッチOTCだ。

 では、このスイッチOTCを薬局で購入するのと、医療機関を受診して医師に処方してもらうのとでは、医療費にどれくらいの差が出るのだろうか。鎮痛剤のロキソニンで比較してみよう。

 ロキソニンの主成分は、ロキソプロフェンナトリウム水和物で、市販されているスイッチOTCの商品名は「ロキソニンS」だ。12錠でメーカー希望小売価格は700円(税込)だが、ドラッグストアやネット通販では500円台で購入できるところもある。また、ロキソニンと同じ主成分を使ったジェネリック医薬品なら、300~400円程度で購入できるものもある。

 一方、医療機関で処方してもらった場合、トータルの費用はどれくらいかかるのだろうか。診療所でロキソニン錠(60㎎)を処方してもらった場合で考えてみよう。

 健康保険を使って医薬品を処方・調剤してもらう場合の薬価は、ひとつひとつ国が決めており、2017年9月現在のロキソニン錠(60㎎)の価格は1錠あたり15.9円。12錠分だと190円。これは薬剤費の総額なので、患者が支払うのは年齢や所得に応じて1~3割だ。たとえば70歳未満で3割負担の場合は、約60円が自己負担額だ。

 同じ量のロキソニンでも、薬代だけなら、医療機関でもらったほうが10分の1以下で格段に安い。だが、医療機関で処方・調剤を受けると、そこに関わる人の技術料が発生する。