消費者による検索キーワードの8割を
マーケターは予測できない

 企業コミュニティはキーワード広告の効果向上にもインパクトがあることがわかりました。ある商品のケースでは、グーグル等の検索サイトから自社サイトへの遷移をもたらした検索キーワード(消費者が自ら検索し、興味を持ってクリックしたキーワード)のうち、2割はマーケターが想定していたものでしたが、8割は企業コミュニティ経由で作られる消費者の発信による多種多様なキーワードでした。

 その数なんと、6ヵ月で10万ワード! 企業コミュニティの参加者は、マーケターの予想範囲を超えた商品やブランドの切り口を提供します。

 また、これらコミュニティに集まる消費者たちがコミュニティに触れることで、どのくらい態度変容するのかを調べてみると、驚くほどの結果が現れます。

 あるメーカーの事例では、2人に1人の割合で購入頻度の向上が見られ、3人に1人が他者へ商品を勧めるようになりました。

 注目すべきは、この数字が外部からの閲覧者のみの変化だということ。当然のことながら、閲覧のみの人に比べて、コミュニティに参加している人のほうが態度変容を起こしやすい。これと同様の調査をコミュニティに参加している人で見てみると、その数字はなんと1.5倍にも跳ね上がります。

 さて、次に読者のみなさんにご紹介したいのは、企業コミュニティに絶大な影響を与えるサポーターの存在についてです。

 ですがその前に、次回は一度本編を離れ、先の東日本大震災、その前後でソーシャルメディアの活用にどのような変化が訪れたのかについてお話ししたいと思います。

(※次回の連載は10月11日に配信予定です)
 


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定価:1,890円(税込) 四六判・並製・336頁ISBN:978-4-478-01631-2

◆内容紹介
当コラムの筆者、武田隆氏(エイベック研究所 代表取締役)の新刊『ソーシャルメディア進化論』は発売以来ご高評をいただいております。
本書は、花王、ベネッセ、カゴメ、レナウン、ユーキャンはじめ約300社の支援実績を誇るソーシャルメディア・マーケティングの第一人者である武田隆氏が、12年の歳月をかけて確立させた日本発・世界初のマーケティング手法を初公開した話題作です。

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――これらの疑問を解決し、ソーシャルメディアの現在と未来の姿を描き出した本書に、ぜひご注目ください。

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内容目次
序 章 冒険に旅立つ前に
第1章 見える人と見えない人
第2章 インターネット・クラシックへの旅
第3章 ソーシャルメディアの地図
第4章 企業コミュニティへの招待
第5章 つながることが価値になる・前編
第6章 つながることが価値になる・後編
終 章 希望ある世界