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ソーシャルメディア進化論

【第10回】
企業コミュニティが活性化すると
売上は23%も伸びる!

ソーシャルメディア・マーケティングの最前線ではいま何が起こっているか

武田 隆 [クオン株式会社 代表取締役 兼 最高経営責任者]
【第10回】 2011年9月27日
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活性化した企業コミュニティでは
売上が23%も向上!

 私たちは、12年間にわたり、企業コミュニティの活性を収益に変えるための試行錯誤を行ってきました。実戦で利益をつくれなければ、クライアント各社の満足は得られません。クライアント企業の満足が得られなければ、私たちの会社の売上もない。売上がなければ、オンラインコミュニティ構築の研究費が捻出できないどころか、会社の存続すら危うくなってしまいます。

 企業コミュニティは、本当にクライアント企業の利益につながるのか?

 顧客ネットワークをマネタイズ(収益化)することなど、私たちにできるのだろうか?

 プロジェクトが始まった当時、私を含めたメンバーはみんな、半信半疑でした。とにかく前例がない。参考にできる事例もない。それはまるで砂の上に塔を建てるような気持ちでした。しかし、事業を一本化したことで、私たちの“船”はここを突破する以外に生き残る道がなくなっていました。

 私たちの会社がまだいまよりもずいぶんと小さかったころ。2005年の忘年会のことです。

 私たちは、十数名が入ればいっぱいのイタリア料理店で「今年も生き残ったぞ!」とお互いの功労に拍手を送り合っていました。こんな単なる忘年会ですら感動の共有になるというのが、ベンチャー企業の楽しいところです。

 宴会が始まって間もなく、関西に出張して通信販売のクライアント企業と打ち合わせをしていた仲間から私に電話が入りました。どうやら新幹線のホームにいるらしい。しかしよほど興奮しているのでしょう、早口で何を言っているのか聞きとれません。とにかく落ち着いて話すように伝えました。

 「ふー」と、彼は大げさに呼吸をおき、妙にかしこまった口調で話し出しました。「いいですか? お伝えします」

 「どうぞ」と私。

 「大変な数字が出ました。コミュニティの参加者の直近6ヵ月の購買総額が計測されました」

 息を飲む。一瞬の間。

 「なんと、23%の向上です。3000名の平均値で、購買総額が1.23倍に上がりました!」

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武田 隆
[クオン株式会社 代表取締役 兼 最高経営責任者]

日本大学芸術学部在学中の1996年、前身となるエイベック研究所を創業。クライアント企業各社との数年に及ぶ共同実験を経て、ソーシャルメディアをマーケティングに活用する「消費者コミュニティ」の理論と手法を開発し、複数の特許を取得。その理論の中核には「心あたたまる関係と経済効果の融合」がある。システムの完成に合わせ、2000年同研究所を株式会社化。その後、自らの足で2000社の企業を回る。これまでに森永乳業、ライオン、資生堂ジャパンをはじめ、300社超のマーケティングを支援。ソーシャルメディア構築市場トップシェア(矢野経済研究所調べ)。2015年、ベルリンと大阪に支局を開設。著書『ソーシャルメディア進化論』は松岡正剛の日本最大級の書評サイト「千夜千冊」にも取り上げられ、ロングセラーに。また、CSR活動の一環としてJFN(FM)系列ラジオ番組「企業の遺伝子」のパーソナリティも務める。1974年生まれ。海浜幕張出身。


ソーシャルメディア進化論

花王、ベネッセ、カゴメ、レナウン、ユーキャンはじめ約300社の支援実績を誇るソーシャルメディア・マーケティングの第一人者、エイベック研究所の代表取締役 武田隆氏が、ダイナミックに進化し続けるソーシャルメディアの現在と未来に独自の視点から迫る!

「ソーシャルメディア進化論」

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