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IT企業はぜひ活用したい優遇措置
「研究開発税制」ってどんなもの?

会計ソフトで整理すれば準備OK

宮口貴志 [KaikeiZine編集長]
【第2回】 2011年10月5日
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 ただし、①や②との重複適用はできません。対象は、製品の製造または技術の改良、考案もしくは発明に関わる試験研究の原材料費、人件費および経費、他者に試験研究を委託するために支払う費用など、逆に、試験研究に充てるために他者から支払いを受ける場合には、受け取った金額を控除した額となります。
その事業年度に損金算入できる額は、試験研究費の12%まで、かつ法人税額の20%(※)相当額が上限となっています。

④試験研究費の額が増加した場合等の税額控除制度
  平成20年4月1日から平成24年3月31日までの間に開始する各事業年度において損金の額に算入される試験研究費の額があり、次のいずれかに該当するときに①②③とは別枠で試験研究費の一定割合の金額をその事業年度の法人税額から控除することを認めています。

 ――以上の4つの優遇税制のなかで、IT関連の中小企業はどれを活用するとよいでしょうか。もちろん、自社の業態に合うものを任意に活用すればよいのですが、①は大企業も対象になっていること、②はかなり大がかりな試験研究開発が対象となっていることを考えれば、一概には言えませんが、③がIT関連の中小企業にとってはよい条件だと思われます。

 ①②③④の具体的な税額控除限度額などについては、国税庁ホームページで確認してください。

【補足】中小企業情報基盤強化税制
補足ですが、③の「中小企業“技術”基盤強化税制」に名称が類似している「中小企業“情報”基盤強化税制」という税制があります。「技術」と「情報」の文字が異なるだけで内容はかなり違ってきます。

一言で言えば、「技術」基盤は研究開発関係、「情報」基盤は設備投資関係に関わる税制です。

「情報」基盤強化税制は、中小企業が情報基盤構築のために新たな設備等を取得するために投資したものが対象となります。従来の「情報」基盤強化税制の支援対象に加えて、サーバや仮想化ソフトウエア等が追加されました。平成22年4月1日から平成24年3月31日までに投資した設備が対象となります。
 
※平成21年4月1日から同23年6月30日までの間に開始する各事業年度については30%が適用されます


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宮口貴志
[KaikeiZine編集長]

税金の専門紙「納税通信」、税理士業界紙「税理士新聞」の元編集長。現在は租税研究会の事務局長を務める。
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