「文章が苦手。書いている時間がツラい。メールも企画書もできれば書きたくない…」
「最初の1行を書き出すまでに、ものすごく時間がかかる…」
「文章がうまく伝わらない。しゃべって伝えることはできるのに…」
「書き直しを何度も命じられて、いつまで経っても書き終わらない…」
「数千字のレポートなどは、文字が埋まらなくて苦痛だ…」
そうした文章を書く人の悩みを全て解決する注目の新刊『10倍速く書ける 超スピード文章術』が、発売間もなく重版が決まるなど、大きな話題を呼んでいる。本連載では、そのエッセンスをたっぷり紹介する。
「全体」から「部分」へ
焦点を移しながら修正する
「推敲」の意味を手元の辞書で調べてみると、「詩や文章をよくしようと何度も考え、作り直して、苦心すること」とあります。
「何度も考え、作り直して、苦心する」というと、時間をかけてじっくりと行なう作業というイメージはありますが、本書では、時間をかけず、効率的かつ的確に推敲する方法をお伝えします。
私の推敲のポイントは2つだけです。
1つは「読みやすくする」こと。
もう1つは「わかりやすくする」ことです。
最初は「大きな論理」と
「適切な素材配置」をチェック
最初の推敲は、次の5つのチェックポイントで、該当箇所をチェックします。
・論理が破綻しているところはないか?
・説得力に欠けるところがないか?
・文脈に沿った適切な素材を選んでいるか?
・詰まることなく、一気通貫で読めるか?
・内容に重複している箇所はないか?
なお、拙著『超スピード文章術』で定義しているビジネス文章の「素材」とは、「独自の事実」、「エピソード」、「数字」。つまり、読み手に「これを伝えたい」と思う内容そのものを指しています。
最初は、実際には文章に手を加えないのがポイントです。
まずは、問題点をすべてピックアップするだけです。
この段階の文章は粗々(あらあら)で書いたものですから、「てにをは」や文章のリズムなど、細かい違和感やミスはあって当然だと考えてください。どうしても、そうした点が気になって修正したくなりますが、細かい点に目を奪われると、全体の流れを見失ってしまいます。
心がけたいのは、この「初見」の見直しが一番読者に近い視点であり、何度も見直せば見直すほど、全体の印象をとらえる視点が徐々に失われていくということです。
だからこそ、まずは全体としてまとまっているか、一気通貫で読めるものになっているかを最優先して確認しましょう。
長い文章の場合は、そのあとで、少しミクロに視点を狭め、段落ごとに分けて流れを見ていきます。段落の中でおかしな論理展開がないか、無理がないかをチェックしていきます。
次に、下記の点を踏まえて、一つひとつの文章を細かくチェックしていきます。