「ボリューム調整」は
終盤でやるのが効率的

最初に書き上げた文章は一気に書いていますから、規定の文字数ぴったりになることのほうが少ないでしょう。十分な素材を集めておけば、規定の文字数をオーバーすることは、よくあります。それを、規定通りのボリュームに整えていく。

書き終えて、いきなり分量を整えるところから始めると、「せっかく整えたのに……」という意識が生まれて心理的に修正しにくくなるのと、「やっぱりこっちを削るべきだった」という「修正のやり直し」が生まれて、無駄な時間がかかります。

そして、最後に「誤字脱字」をチェックします。誤字脱字のチェックは基本中の基本ですが、やってしまうと、特にビジネスにおいては致命的なミスになりかねません。
だからこそ、私は最後の最後に、誤字脱字だけをチェックしています。

ここまでを総括すると、マクロの視点からミクロの視点へ推敲のポイントを狭めていくことで、ムダのない推敲が実践できます。全体の論理構成を変更したり、素材を大幅に変更するような文章の「大工事」には、それだけ時間がかかります。

一方、誤字脱字や文末の変化などの小さな修正は、5分もあれば終わるでしょう。
「大から小」が最も効率的で、最も速く推敲を終える順番なのです。

もし、〆切までの時間が十分にとれる場合は、時間を空けて、2、3度に分けて推敲すると、より客観的な視点で、より冷めた目で文章をチェックしていくことができます。

なお、推敲の前の段階、つまり「どんな素材を集めるべきか」「集めた素材をどう構成すればわかりやすい文章になるのか」という点については、『超スピード文章術』で独自のノウハウを紹介していますので、ぜひご覧になっていただき、使い倒してください。