「文章が苦手。書いている時間がツラい。メールも企画書もできれば書きたくない…」
「最初の1行を書き出すまでに、ものすごく時間がかかる…」
「文章がうまく伝わらない。しゃべって伝えることはできるのに…」
「書き直しを何度も命じられて、いつまで経っても書き終わらない…」
「数千字のレポートなどは、文字が埋まらなくて苦痛だ…」

そうした文章を書く人の悩みを全て解決する注目の新刊『10倍速く書ける 超スピード文章術』が、発売間もなく重版が決まるなど、大きな話題を呼んでいる。本連載では、そのエッセンスをたっぷり紹介する。

スラスラ読める文章の
「入口」と「出口」

そもそも私は「文章は読んでもらえないもの」だと考えています。

私自身が、書くのが苦手、読むのも嫌いでしたから、ほかの人もそうじゃないか、という気持ちもありますが、そもそも、みんな忙しいのです。誰も積極的に文章を読みたがっていない、と考えたほうがいい。

フェイスブックなどのSNSでも同様です。読者がタイムラインをチェックするのは「おもしろい情報に触れたい」とか「友人の近況を知りたい」からであって、「文章を読みたがっているから」ではありません。

企画書も、ブログも同じです。読んでみたら、おもしろくてつい最後まで読んでしまった、ということはあるかもしれませんが、前提として文章を読みたがっているわけではない。
だから、「どうすれば読んでもらえるのか」を考えなくてはいけない。

1700以上シェアされた文章の「書き出し」で意識していたこと文章のプロは「書き出し」に何を置くのか?


そこで絶対に意識しなければならないのは「書き出し」です。読み始めてすぐに興味を持てなければ、そのあとに続く文章がいくら魅力的でも、意味がありません。

「誰にでも絶対に最後まで読みきってもらえる文章」を定義することは難しくても、「書き出しがつまらない文章が最後まで読まれる可能性は低い」ことは、間違いないのです。

絶対に「常套句」から
書き始めてはいけない

たとえば、「読まれない書き出し」の代表例が、「私は」から始まる文章です。あなたが書く文章ですから、あなたが見たり感じたりした内容であることは、言われなくてもわかっています。そこで「私は」とくると、読む気が失せてしまうのです。

ビジネス文書でも、「いつも大変お世話になっております」から書き始めて、「今後ともよろしくお願いいたします」で締めるケースは多いと思います。

なぜ、このような常套句が使われることが多いのでしょうか。それは、書き手が便利だからです。「とりあえずこう書いておけば間違いない」という安心感があるからです。

常套句を使うのは、書き手の都合なのです。

事務的なメールであれば、それでもよいかもしれませんが、もし、どうしても読み手に伝えたい文章なら、常套句は使わないほうがいい。読み飛ばされる可能性が高いからです。素材がおもしろいほど、書き出しに常套句を使うのは、非常にもったいないことです。

あるいは、読者に「そうだよね」とうなずいてもらえない書き出しや、読者から反感を買ってしまうような書き出しも、避けたほうが無難でしょう。

では、「読み飛ばされない書き出し」とは、どういうものなのでしょうか。