特に今後の期待値が高いのはケーブルテレビ最大手のJCOMだ。契約数はすでに533万世帯(17年6月末時点)に達しており、各世帯に置かれたセットトップボックスによるネットワークインフラはさまざまなビジネスを生み出す可能性を秘めている。

 すでに15年10月に格安スマートフォン販売、16年4月に電力小売り、17年4月に関西でガス小売りなどを始めているが、さらに「高齢化が進み在宅医療・介護のニーズが高まる中、グループのサミットやトモズなどと融合して新しいビジネスモデルをつくりたい」(中村社長)として、さまざまなサービスを拡充していく計画だ。

 国内テレビ通販業界最大手のジュピターショップチャンネルの業績も絶好調だ。1996年11月の放送開始以来、20期連続の増収。17年3月期の売上高は前年比11.1%増の1549億円。当期利益は同13.2%増の186億4200万円となり、ついに百貨店最大手の三越伊勢丹ホールディングス(149億7600万円)を上回った。

 最近では不動産事業にも注力している。4月にJ.フロント リテイリング、森ビルなどと組んで東京・銀座エリア最大級の複合施設である「GINZA SIX」を開業。また、今後は地方都市での商業施設も増やす計画だ。

 住友商事では非資源事業への投資をさらに強化する。18年3月期を最終年度とする3年間の中期経営計画において、合計1兆円の投資を計画しているが、そのうち、メディア・生活関連事業と輸送機・建機事業にそれぞれ2800億円、環境・インフラ事業に1400億円を投資する計画で、これら三つで全体の7割を占める。その一方、資源の上流権益への投資は1400億円にとどめる。

資源に後発で参入
黒字化見込みでも見劣りする収益力

 目下の最大の課題は、言わずと知れた資源事業だ。

 2000年代以降の資源価格の上昇局面で、資源投資で先行する三井物産や三菱商事が多額の利益を計上する中、住友商事も後発で参入。しかし、長らく資源事業に取り組んできた三井物産などと比べると、知見や資源メジャーとの人脈などの彼我の差は大きい。

 先述の通り、資源事業は過去3年間赤字を垂れ流し続けている。15年3月期は2021億円、16年3月期は1543億円の純損失。17年3月期に至っても、マダガスカルのニッケル事業やチリの銅・モリブデン鉱山事業など、資源事業で合計407億円の減損処理を余儀なくされ、227億円の純損失となっている。今期は4年ぶりに黒字化の見込みだが、それも資源価格の動向次第だ。

 いずれにせよ、足元では非資源が2000億円前後の利益を生み出す一方で、資源事業が足かせとなり収益性は低下。ROE(自己資本利益率)は大手5社で最も低い7.4%にとどまる(図(4))。

 資源価格の変動で乱高下する経営を脱して持続的な成長を行うためには、非資源事業のさらなる強化に加え、資源事業の運営力を高めることが最重要の経営課題といえるだろう。