上の子に、下の子の面倒を見てもらう
日常の家事ももちろんですが、下の子が生まれた時には上の子を育児に参加させましょう。上の子が親と一緒になって赤ちゃんの世話をするのです。
上の子が2歳児であっても、多少危なっかしくても、上の子をあてにしてください。オムツやお尻ふきを持ってきてもらう。ミルクをあげるのを手伝ってもらう。沐浴させるのを手伝ってもらう。当然、小さな子どもに手伝わせるよりも、自分たちでやってしまったほうが早いでしょう。でも、あえて上の子を頼りにして、手伝いを頼むのです。
というのも、こうすると必然的に上の子を褒める機会が増えるからです。褒められたことで成功体験を積み重ね、自信も大きくなる。すると、兄弟姉妹間のトラブルが少なく、仲の良い兄弟姉妹に成長します。
このようなお手伝いは、子どもの自信を大きくするだけでなく、家族の一員としての責任感を身につけさせます。この経験が将来、社会の一員として責任を持った行動を選択する力につながっていくのです。
親の一言で子どもの積極性が変わる
注意点としては、お手伝いの最大の目的はあくまでも「成功体験」を積ませることだということです。くれぐれも難易度の高いお手伝いや、失敗を招くお手伝いは頼まないでください。
必ず、子どもができる範囲のことから始めましょう。 たとえ洗濯物のたたみ方がまずかったり、多少できが悪くても「◯◯が手伝ってくれて助かったよ、ありがとう!」と感謝を伝えて、抱きしめます。
決してその場で、洗濯物をたたみ直したりしないでください。 子どもがうまくできなかった時は、他の洗濯物で「こういうふうにやるともっときれいになるよ」とたたみ方をやさしく教えてあげてください。
他にもお米の研ぎ方を教えたり、掃除のやり方を教えることで、子どもは新しい言葉を覚え、新たな技術を覚え、どうしたらもっと上手にできるかを工夫する頭の使い方を覚えることができます。
手伝いとは、いわば社会経験の第一歩です。 自分の能力を発揮して人の役に立つこと、人を助けること、人から感謝されることの喜びを体験できますし、言語力、思考力、集中力、コミュニケーション力の発達も促すことができます。
「お米のまわりには薬がついているから洗って落とすんだよ」と教えれば、言葉と知識が増えます。さらに、「どうやったらお米がきれいになるかな?」「どうして堅いお米がやわらかいご飯になるのかな?」と質問することで、「考える力」を育てることができます。
掃除や洗濯も、親がサッサとやってしまわずに、子どもと一緒にやりましょう。子どもとコミュニケーションをとりながら家事に取り組むことで、親子の絆が深まると同時に、子どもの知的好奇心を刺激することができます。
年齢別お手伝いの例
【1歳~2歳】
床掃除、お箸並べ、おもちゃの片づけ、ごみ捨て(ごみ箱に入れる)
【3歳~4歳】
床掃除、窓拭き、テーブル拭き、部屋の片づけ、はたきかけ、食事の配膳準備、食事の後片づけ、皿洗い、米研ぎ、洗濯物たたみ、ゴミまとめ、庭掃除
【5歳~6歳】
風呂掃除、トイレ掃除、掃除機かけ、ゴミ出し、野菜の皮むき、ご飯炊き、たまご割り、食器洗い、食器拭き、洗濯干し、洗濯物たたみ、洗濯物収納
(この原稿は書籍『世界標準の子育て』から一部を抜粋・加筆して掲載しています)