日本でも「立ち机」を導入する企業が続出!
立ち机の利用は欧米、豪州の企業を中心に急速に進みました。オーストラリアや北欧では立ち机の導入は話題にならないくらいで、中には「決して座らない」覚悟で椅子をゼロにしたオフィスもあるほどです。
立って働くデスクワーカーがここ数年で急増したシリコンバレーでも、一部の尖ったベンチャー企業だけが導入しているわけではなく、グーグルやフェイスブックでも、多くの従業員がデスクを立ち机に変えるほど一般的です。前述のように社員がズラリと立ってパソコンに向かう光景は今や当たり前になり、「デスクワークは立ってするもの」という従来の価値観が塗り変わったのです。
一方、日本は「デスクワークは座ってするもの」といった固定観念や「仕事中に不必要に立つのは行儀悪い」といった価値観が根付いているため遅れ気味です。とはいえ、ここ1~2年で大きな変化の兆しが見えました。まだ一部ですが、感度の高い経営者や従業員の健康に敏感な経営者が座りすぎ問題に着目し始めたのです。
先進的かつ大規模に座りすぎ対策を始めた楽天では、本社が新社屋に移転するのを機に従業員の机を一新。昇降式のデスクを約1万3000台導入しています。鉄鋼商社のメタルワン、通信ケーブルメーカーのフジクラでも、昇降式のデスクを設置し、立ってデスクワークが日常的にできるようサポートしています。
最近では家電製造で存在感が大きいアイリスオーヤマは、一部の拠点で「座った姿勢でのパソコン使用を禁止する」と発表。パソコンを使用する際は、専用のスタンディングテーブルへの移動をルール化するという徹底ぶりで話題を呼んでいます。
他にも三菱商事、日本マイクロソフト、グーグル日本法人といった超大手や有名外資の企業でも立ち机を導入し、ワークススタイルの見直しを始めています。
(写真提供メタルワン・『長生きしたければ座りすぎをやめなさい』より)