立ち仕事を増やせば、社員の寿命も会社の寿命も延びる

 このように、国内でも立ち机の導入が進む理由は、『長生きしたければ座りすぎをやめなさい』で繰り返し説明しましたが座る時間が長い人ほど病にかかりやすいことが数々の調査データから実証されたからです。

 「立ち仕事」「よく歩く仕事」「デスクワーク中心の仕事」の3つの職業形態を比較すると、糖尿病のかかりやすさはデスクワーク中心の仕事がやはりトップ。さらに、がんで死亡するリスク、総死亡率も、際立って高いことに加え、仕事で座る時間が多いと、落ち込みやすさややりがいの低下などメンタルの問題もあらわれやすいことがわかっています。

 座りすぎると心も病んでいくのです。従業員の健康が損なわれれば生産性も低下し、会社も伸び悩んでしまいます。ですから、立ち仕事を増やして社員の健康を守ることは急務なのです。

 立ち机の効果ですが、使い始めると座る時間はすぐに1~2時間は減らすことができ、立ち仕事に慣れてくれば、2時間以上減らすことも難しくはありません。その結果、従業員の体調がよくなり、腰や肩の痛みやコリが改善したり、頭が冴えて作業効率も上がったりするなど、多方面でよい結果があらわれることを実践者は証言します。

 「最初は立って作業すると疲れるイメージがあったけど、すぐに慣れて逆に血行が良くなるなど疲れなくなった」「午後の眠気もなくなり集中力が高まった」といった声が圧倒的です。

 従来型の「デスクワークは座ってするもの」という価値観で作ったオフィスだと、働けば働くほど体力・気力を消耗し、健康を損なうイメージがありました。ですが、立ち机を導入するなど、座りすぎない環境にすることで、逆に働けば働くほど健康になる職場づくりも夢ではありません。

 今後、立ち机を導入する企業はさらに増える見込みで、日本のオフィスの風景もかなり変わっていくでしょう。一人一人が「立ち上がる」ことで社の空気が変わり、人も企業も活性化するのです。