「安全だけど安心できない」
根は豊洲市場問題と一緒

 これらの対応はいったい何なのだろうか。

 神戸製鋼はコンプライアンスが確立していなかったことが問題だと言う。

 鉄道各社は不正な材料を使った車両でも安全には問題はないと言う。

 日産自動車はプロセスに不正はあったが安全には問題がないと言う。

 経済団体は今回の事件で日本製品の品質についての海外からの風評被害が問題だと言う。

 これはどうやら、東京都の豊洲市場問題と同じ構造のように思える。詳しく検討をして、最終的には安全だと結論がついた。ただ安全なのだが、安心ではないことが今でも問題だと言う。これが豊洲問題だ。

 だから安全には自信のある日産も、大規模なリコールをして、消費者に安心をしてもらうと表明している。神戸製鋼の取引先は同様に、安全なのだが安心できるように、神戸製鋼の不正材料がどこに使われているのかを調査して安心を取り戻したいと主張している。こうした構図である。

 神鋼も日産も、それで何人かの責任者がクビになって、問題は収束するだろう。昔から続いてきた問題であるがゆえに、本当に責任がある人たちは歳をとり、組織から離れてしまっているため、誰も処分されないだろうという点も、豊洲問題とよく似ている。

 結局のところ、被害を受けるのは「それでも心配な気持ちで自動車や電車、航空機に乗っている一般大衆だ」という点でも、やはり最後まで豊洲問題とよく似た収束を迎えるのだろう。

 なんとも割り切れない不祥事である。

(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)