人見氏は、それだけに「地球の課題認識」としてエンジン車の実用燃費改善ターゲットをEVに置き、「SKYACTIVエンジン車で実用燃費を10%程度改善すれば、平均的発電方法で共有された電気を使うEVにCO2で追いつく。火力発電で最もCO2発生量の少ないLNG発電で供給された電力で動くEVにも、30%改善で追いつく」と、最近のEV転換の過熱化に対してWELL-TO-WHEEL(燃料採掘から車両走行まで)の観点から「EVはまやかしで、要らない」とまで言い切る。

 「逆境をはね返したマツダの発想力」には、人見氏のような観点も必要なのだ。

“マツダの凄み”を体感した
試乗取材の感想

 さて、かつての美祢サーキットだった美祢試験場での試乗取材の感想だが、確かにマツダの「内燃機関の進化」へのこだわりと執念を感じとった。まさしく“マツダの凄み”を体感したのだ。

 現地での試乗取材会は、人見氏をはじめ、一連のプレゼンテーションの後、現行のSKYACTIV-G搭載車を試乗した後、SKYACTIV-Xの試作車を走行させるという流れだった。いずれも左ハンドルの欧州仕様で、筆者が試乗したのはマニュアルミッション車だった。

 現行のSKYACTIV-G搭載車で走行した後、直ちにXプロトタイプに試乗すると、感覚は明らかに違った。

 約7kmの走行コースであり、市街地での低速から郊外のワインディングロードでの中速、高速道を想定した100km走行をするという流れだが、まず1速で軽やかな発進加速を見せる。2速でもコースへの連絡路で20~30km程度の走行となっても粘るエンジン特性を感じた。中回転域からアクセルを踏み込んでも滑らかで力強い。