最強の人生戦略は「共働き&事実婚」

 筆者は、昨年まで6年間ほど大学で授業を持っていたので、大学生くらいの若者にどうアドバイスしたらいいのか、という視点で白河氏・是枝氏の本を読んだ。

 男女を問わず学生にアドバイスするとすれば、以下のような内容だろうか。

(1)税を始めとする日本の制度は、共働きの夫婦にとってベストな条件になっている(「専業主婦ではない」と是枝氏は分析する)。だから、共働きのパートナーを持つことを指向するといい。

(2)「一緒に暮らすこと」には規模の経済効果が働く。相手がいるなら、一緒に住むと暮らしは楽になる。

(3)家事を分担することには、経済・精神両面で大きな効果がある。男女ともに家事能力を持とう。

(4)「専業主婦家庭」は、男性にとっては負担が大きく、女性にとってはリスクが大きな形態だ(夫婦の3割は離婚するのだから)。

(5)日本の制度は、籍を入れない事実婚に対して好意的だ。事実婚が差別されるのは、配偶者控除を受けられないことくらいだ。

(6)配偶者控除を捨てて事実婚を選ぶことの価値評価は難しいが、離婚の潜在的コストを圧縮する効果があることを思うと「ペイする」カップルは少なくなかろう。

(7)子どもを持つことの経済的負担は相当に大きい。子育てをもっと支援すべきだと国に要求しよう。

 人生の送り方はさまざまで構わない。ただし、経済は常について回るので、各種の選択に当たって「経済的現実はどうなっているのか?」を考えることが大切だ。

(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)