一方、「希望」「維新」「立憲民主」は、消費増税の凍結・先送りを主張した。

 消費増税をめぐるこの構図は、どこか我々の常識と反する。

 欧米先進国では、税負担を引き上げても社会保障の充実を図ろうという「リベラル・大きな政府」と、歳出削減を進め経済の活性化を図り自己責任を重視する「保守・小さな政府」という2つの政党に分かれて政権交代するのが、代表的なパターンだ。

 これをもとに考えると、日本では「自・公」がリベラル、野党が保守ということになってしまう。

 もっとも、「希望」は大企業への内部留保金課税を代替財源とする主張をし、「維新」は、国・地方の公務員総人件費の2割カットで5兆円、「立憲民主党」は相続税と金融所得課税の強化など、それぞれ消費増税に代わる財源問題には触れた。

 しかしいずれの考え方も、国民からすれば、持続的な社会保障サービスの提供ができそうもない「ダンピング価格」で、実現可能性は薄いという判断になったのではないか。

 例えば、「立憲民主党」が、相続税の負担増や、現行で20%の分離課税となっている金融所得課税への強化という具体的な内容の提示したことは賛意を表したい。

 だが問題は、この2つの税目では、到底、兆円単位の税収は出てこないということだ。

 筆者の計算によると、金融所得税制については、企業の株式持ち合いなどによる法人間での配当は原則非課税のために、見かけほど税収は上がらない。1%あたり、500億円から700億円の税収といったところだろうか。つまり、金融所得税率を5%程度引き上げて得られる税収は、たかだか3000億円程度ということになる。

 また「希望」の主張する内部留保金課税も、その税収規模では、社会保障の恒久財源になり得ないことは、前回のコラム「『希望』の公約、企業の内部留保課税には安心の希望が見い出せない」で書いた通りだ。