イケア・ジャパン(千葉県/ミカエル・パルムクイスト社長)が、9月26日、宮城県仙台市に復興に向けた生活支援ストア「IKEA仙台ミニショップ」をオープンした。

世界で展開するIKEAにおいても
異例の店舗

IKEA仙台ミニショップは、仙台市泉区の商業施設内にオープンした。ワンウェイコントロールを行うため、入口と出口が分かれている

 仙台ミニショップは仙台市の北部、泉パークタウン内の商業施設に居抜き出店した。道路を挟んで向かいには、仙台泉プレミアムアウトレットと泉パークタウンタピオがある。

 IKEAの標準店舗は店舗面積約4万平方メートルだが、同店は約1500平方メートル。標準店舗が9000アイテム品揃えするのに対し、同店では雑貨をメーンに500アイテムに絞り込んだ。8割がキッチン用品、キッズなどの雑貨で、残る2割が収納をメーンとする家具を展開する。

 世界で展開するイケア店舗は、通常土地を取得し、同社標準規模の店舗を建築するが、同店は賃借物件だ。今回の仙台ミニショップは、世界のイケアでも例を見ない小型ショップの展開であり、「売上目標などゴールを決めずにスタートする異例の店舗」(イケア・ジャパン)だ。

 東日本大震災発生直後から同社は、「家は世界でいちばん大切な場所」という企業理念をもとに、被災者が安心した生活基盤を構築できるよう、短・中・長期と計画を立て支援を続けてきた。今回のミニショップ開設は長期の生活支援対策に当たる。

「震災で生活用品を失ってしまった人に向け、まずは生活に必要なものをお届けしたいという考えから品揃えした。500アイテムと限られるため、お客さまのニーズを見ながら今後品揃えを変えていきたい」と北野マネジャーは語る。生活必需品に焦点を当てた品揃えを行うが、スウェーデンの企業らしい明るくカラフルな色柄の商品が並ぶ。またオープン当初は、家具では収納用品を中心に品揃えするが、徐々にニーズを見ながら、家具の品揃えも増やしていく考えだ。

ワンウェイコントロールで
すべて見せる

 店内レイアウトは最もニーズの高いキッチン用品からスタートして、インテリアや照明、キャンドル、フレーム、収納ボックス、キッズ、家具という流れ。小規模店ながら、壁面を上手に演出して顧客を巧みに誘導するワンウェイコントロールを行う。「すべての商品を見てもらい、長く滞在してもらえるように」(北野マネジャー)という工夫だ。

 最も苦労したのが、売場の制約上、イケアの真髄であるルームセットを展示できないなかで、どれだけ魅力的なルーム提案ができるかということだ。同店ではコンパクトながらリビングルームの提案を売場トップで展開するほか、売場随所で雑貨・家具・インテリア・照明を交えたコーディネート提案を行うことで、顧客のインスピレーションを刺激することに努めている。

「ミニショップといえどもIKEAらしい魅力にあふれた売場をつくり上げ、生活復興を支援するとともに、お客さまが楽しい気持ちになれる店づくりを進めていきたい」と北野マネジャーは抱負を語る。


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