次に、果物の糖質含有量を整理してみました。表の数値は、果物可食部100g当たりの糖質含有量です。果物に含まれている糖質は果糖・ショ糖・ブドウ糖・糖アルコールなどです。

 例えば、リンゴ1個(約240g)は約150キロカロリーで、ビタミンC含有量は8mg、遊離糖含有量は35.6g(果糖18g、ブドウ糖6g、ショ糖9.6g、ソルビトール2g)、水溶性食物繊維含有量は0.95g、不溶性食物繊維含有量は2.95gです。

 もちろん、果物の種類によって果糖・ブドウ糖・ショ糖・糖アルコールの比率は異なりますが、このうち果糖は10%くらいしかブドウ糖に変わらないので、ほとんど血糖値を上昇させません。

 そのため、果物の糖質のうち半分が果糖と仮定すれば、穀物の糖質に比べると血糖値は上がりにくいといえます。穀物のでんぷん1gが血糖値を3mg上昇させるとすれば、果物の糖質1gは約半分の1.5mg上昇させると考えられます。

 細かいことをいえば、ソルビトール(糖アルコール)はブドウ糖の半分くらい血糖値を上げますし、ショ糖は「ブドウ糖+果糖」です。けれども大ざっぱにはこの計算でよいでしょう。

 厚生労働省の低糖質食の定義が「100g中糖質5g以下」です。そうすると100g中の糖質が10g以下の果物は、血糖値の上昇に関しては100g食べてもおおむね大丈夫と思います。果物の糖質量が1回に10g程度なら、血糖値の上昇は約15mgですむ計算です。

 100g中の糖質が13gや14gのリンゴやさくらんぼも、食べるとき糖質の計算だけしておけば、どのくらい血糖値が上がるのか予測できますから、それを承知の上で適宜食べればいいと思います。

 なお、バナナには糖質に加えてでんぷんも多く含まれているので、とくに糖質含有量が多いです。でんぷん分は、他の果物より血糖値を上昇させます。

 その他の食品については、『主食をやめると健康になる』の巻末に掲載した「食べてよい食品と避けるべき食品リスト」をご参照ください。