病気や症状に合わせて
3つのやり方を使い分ける

 糖質制限食には3つのやり方があります。

 1つめは「スーパー糖質制限食」で、朝・昼・夕とも主食なしです。1日を通して糖質を控えるので、血糖値は上がらず、インスリンの追加分泌はほとんど出ません。そのためダイエット効果や生活習慣病などの予防効果がもっとも高く、それまでとはまったく異なる代謝リズムになります。

 2つめは「スタンダード糖質制限食」で、1日3食のうち1回の食事だけは主食を摂り、残りの2回については主食を抜きます。主食を摂るのは朝でも昼でもよいのですが、夕食はお勧めできません。なぜなら、夕食後に就寝すると脳も筋肉も活動しないので血糖値が下がりにくく、インスリン(肥満ホルモン)によって脂肪が蓄えられやすいからです。

 3つめの「プチ糖質制限食」は、1日3回の食事のうち、夕食だけ主食を抜くようにします。朝・昼は適量の糖質を摂れるので実行はかなりラクですが、スーパーなどに比べれば改善効果はどうしても低くなります。

 この3つのやり方を、病気や症状によって適宜使い分けるようにします。

 糖尿人にはもちろん、スーパー糖質制限食が一番のお勧めです。サラリーマン諸氏で昼食が定食とか弁当しかないときは、スタンダードでもやむをえません。昼食に主食を摂らざるをえない糖尿人は、食前30秒に薬を飲んで適量(少量)の主食を食べるという選択肢もあります。

 ダイエット目的なら、スーパー糖質制限食で2~4週間頑張って、目標体重になったらプチかスタンダードでキープするというパターンもあります。人にもよりますが、スーパーを始めて3日~1週間で体重が減りはじめます。

 糖尿人がスーパー糖質制限食を実践する場合は、食後高血糖を防ぐため、1回の食事の糖質量を20g以下にします。肥満や糖尿病がない人は、1回の糖質量を30~40g程度に増やして、緩やかな糖質制限食で健康を維持するというパターンもあります。


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