(1)報告に来なかったことを徹底的に責め、報告の重要性をわからせる
(2)話しかけづらそうなオーラを漂わせていたことを反省し、今後は話しかけやすいオーラを出すように心がける
(3)新入社員たちの中でリーダーを決めて報告させるようにする
それぞれの選択のシミュレーションをしてみましょう。
厳しく教え込んだほうがいいか
優しく親しげに接するべきか
(1)の場合、現場は大混乱するでしょう。
じつは、この会社の上司は、(1)を選択しました。上司は仕事を叩き込まれた世代なので、自分がされたように報告の重要性を厳しく教え込もうとしました。「報告に来いっていわれたら必ず来るんだ!」と新入社員たちを責め立てたのです。
しかし……。いまどきの若者は叱られることに慣れていません。
彼ら、彼女らはすっかり萎縮してしまいました。
そして、なんと「報告に行きたくないから、上司が見に来るまで仕事を終わらせず、ゆっくりと作業をしよう」と考え、それを実行したのです。
それを知った上司は、さらに激しく叱りましたが、まったく効果はなし。それどころか、会社に来なくなる社員もいました。
(2)の場合、話しかけやすいオーラを出すよう努めても、結局、部下は報告しに来ないでしょう。
なぜなら、いまの若者は、人に対して必要以上に遠慮する傾向があり、ちょっとでも「忙しそう」だと感じたらもう話しかけるのをためらうのです。いついかなるときもニコニコしてウェルカムムードを醸し出す上司になるなんて無理です。
となると、ベターなのは、(3)の選択肢といえます。もっとも合理的なマネジメント法だと思います。
しかし、誰かをリーダーに決めようとすると、そこで混乱が起きる可能性もあります。いまはただ報告をするだけのことであっても嫌がる若者が多く、もし上司が強制的に決めたら、辞めてしまったりするのです。
(3)のような任せ方も通用しないぐらい、いまはマネジメントの転換点に来ているといえます。